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経済

2025年6月12日

第5ターミナル、地下トンネル建設に約1,000億円契約

 シンガポールのチャンギ空港グループ(CAG)は、第5ターミナル(T5)の地下トンネル建設に関する契約を、総額9億9,900万Sドル(約1,150億円)で締結したと発表した。受注したのは、日本の五洋建設とシンガポールの高宝兄弟建設(Koh Brothers)によるジョイントベンチャーである。
 
 この地下トンネルシステムは、T5内で乗客や手荷物を移動させる自動搬送システムや手荷物処理システムを収容するもので、完成までに4年以上を要する見込み。トンネル内には、電力、通信、水道などの共用サービスインフラも集約される予定で、将来的なインフラ拡張にも対応可能な設計がなされている。
 
 T5は、既存のターミナル1〜4を合わせた規模と同等の面積を誇り、年間5,000万人の旅客処理能力を想定。これにより空港全体の年間処理能力は現行の9,000万人から1億4,000万人へと55%以上増加する。T5の開業は2030年代半ばを予定しており、シンガポールの航空ハブとしての競争力を維持・強化する大規模プロジェクトの一環である。
 
 また、T5は3本目の滑走路や貨物施設、地上交通ハブなどを含む「チャンギ・イースト計画」(1,080ヘクタール)の中心をなす存在である。空港第3滑走路は2027年第4四半期の運用開始が見込まれており、空港の全体的な輸送能力の飛躍的拡大が期待される。
 
 今後、アジア太平洋地域では航空需要が2040年代までに倍増するとの見通しがあり、T5の開発はその需要増に備えた重要な布石といえる。CAGは、今後数年でT5の建設が本格化し、2029年ごろには工事のピークを迎えると見込んでいる。

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