2025年6月10日
タイに10億ドル投資 B.グリムとシンガポールのデジタルエッジがデータセンター建設へ
タイの大手電力会社B.グリム・パワーと、シンガポールのデジタルインフラ企業デジタルエッジは6月9日、タイ国内に出力100メガワットの大規模データセンターを建設するため、総額10億USドル(約1,550億円)を共同投資する計画を発表した。
このプロジェクトは、急増するAI需要に対応するためのもので、タイおよびその近隣諸国が再生可能エネルギーと安定した電力供給を背景に、デジタルインフラへの新たな投資先として注目を集めている。
今回の発表は、近年タイにおいて加速しているテック企業の進出を象徴する動きの一つである。たとえば、中国のバイトダンスは今後5年間で88億USドルを投資予定であり、米グーグルも10億USドル規模のデータセンター建設を計画中である。
さらに、タイ投資委員会(BOI)は2024年5月、データセンターおよびエネルギープロジェクトへの総額30億USドルの投資を承認しており、米マイクロソフトも昨年、タイ初の地域データセンター開設計画を発表している。
B.グリムとデジタルエッジは、グローバル企業が東南アジアでAIインフラを拡張する動きを見据え、本プロジェクトの建設を「迅速に進める」としており、2026年第4四半期の運用開始を目指す。
B.グリム・パワーのグループ社長ハラルド・リンク氏は、「再生可能エネルギーと最先端のデータセンター技術を融合することで、タイを地域におけるAI・クラウド革新の拠点に変革していく」と述べた。
この動きは、東南アジア全体がAI、クラウド、デジタルサービスの次なる拠点として世界的な関心を集めていることを示している。