2025年6月5日
マレーシア、7月1日からVEP未登録のシンガポール車両に罰金措置開始へ
マレーシア政府は、2024年7月1日より、VEP(車両入国許可)未登録のシンガポールナンバー車両に対し、取り締まりを開始すると発表した。ローク運輸相が6月4日の記者会見で明らかにしたもので、2017年に構想された同制度は、2019年と2020年に延期されていた。
2024年5月以降、シンガポールから陸路でマレーシアに入国するすべての外国車両に対し、VEP登録の周知期間が設けられており、「十分な準備期間を経ての実施」であるとローク氏は述べた。
VEP未登録の車両運転者には300リンギ(約90Sドル)の罰金が科され、支払いはJPJ(陸運局)窓口またはオンラインでキャッシュレス決済のみ受け付ける。違反者は、出国前に罰金を支払い、VEP登録も完了させる必要がある。
これまでに、23万1,018台のシンガポール登録の個人所有車両がVEP登録を済ませており、そのうち15%がRFIDタグの有効化を完了していない。また、企業所有の車両2,660台にもタグが発行されている。
一方で、事前登録の手続きが煩雑なため、企業車両の多くが登録に失敗している状況もある。ローク氏は「そのような車両には柔軟に対応し、罰金ではなく警告通知を出す」としている。ただし、まったく登録していない場合は、罰金支払いと登録完了が出国条件となる。
混雑回避のため、ジョホール州の各地点に取り締まりチームを配置するとともに、シンガポール側の協力にも感謝を示した。今後、タイ南部からの外国車両にも同様の制度導入が検討されている。
RFIDタグにより、マレーシア当局は外国ナンバー車両を識別し、未払い交通違反罰金の追跡が可能となる。VEP登録の委託業者TCSensによると、今後申請数が増加する見込みで、特に企業所有車両の動きが活発になると見られている。
一部ユーザーからは、オンライン登録時にワンタイムパスワードが届かないなど技術的な不具合の報告もあるが、現地VEPセンターでは迅速な対応が行われており、「5分で完了した」との声も上がっている。