2025年6月4日
MOM職員を装う詐欺で被害総額37万9,000Sドル超、警察が注意喚起
2025年5月以降、シンガポール労働省(MOM)の職員を装った詐欺による被害が相次ぎ、少なくとも37万9,000Sドルが詐取されたことが、シンガポール警察の発表で明らかとなった。6月3日時点で、確認された被害件数は少なくとも6件に上っている。
この詐欺手口は、まず被害者にMOM職員を名乗る人物から電話がかかってくるところから始まる。詐欺師は、被害者が「犯罪に関与する外国人労働者」を雇っていると告げ、違法就労、ビザ切れ、滞在超過、マネーロンダリングなどの問題を持ち出して脅す。
被害者が関与を否定すると、電話は「警察官」や「入国管理局職員」を装う別の詐欺師に転送され、今度は被害者本人が犯罪に関与していると主張される。詐欺師は「捜査」や「保管」の名目で現金の手渡しや銀行送金を要求し、被害者に資産を申告させ、毎日連絡を取るよう指示するケースも確認された。
詐欺が発覚するのは、加害者と連絡が取れなくなった後や、被害者が警察に問い合わせて真実を確認した際である。また、一部の詐欺師は、政府職員の身元を確認するよう被害者に「シンガポール政府職員名簿(SGDI)」の利用を促すが、SGDIはその目的で使用されるものではないと警察は強調する。
シンガポール警察は「政府職員が銀行情報の提供や金銭の送金、非公式アプリのインストール、警察への電話転送などを要求することは絶対にない」と改めて警告している。
不審な連絡を受けた場合は、警察のホットライン1800-255-0000に通報するか、緊急時には999番に連絡を。オンライン通報は警察の公式サイトからも可能である。