シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP2025年の成長予測を据え置き 通商改善で見通しはわずかに前進

経済

2025年5月23日

2025年の成長予測を据え置き 通商改善で見通しはわずかに前進

 シンガポール貿易産業省(MTI)は5月21日、2025年の経済成長率見通しを前年と同様の「0〜2%」に据え置いたと発表した。ただし、米中間の通商関係の改善などを受け、経済見通しは「わずかに改善した」との見解を示した。
 
 第1四半期のGDP成長率は前年同期比1.9%と、前回の予想1.7%をわずかに上回った。特に製造業が回復基調にあり、ハイエンド電子機器や化学分野での生産が堅調に推移している。また、情報通信や金融業などのサービス業も引き続き堅調で、域内需要の持ち直しが追い風となっている。
 
 一方で、依然として外部環境には下振れリスクも残る。中東情勢の不安定化や主要先進国の金利高止まり、地政学的緊張が世界経済の重荷となっており、シンガポールの輸出依存型経済にとっては注意が必要とされる。
 
 MTIは、通商摩擦の緩和や米国のソフトランディングの可能性を前向き材料としつつも、当面の成長は控えめにとどまるとの認識を示した。企業や政府は慎重なスタンスを維持しつつ、回復の兆しを注視する必要があるとした。

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