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社会

2025年4月15日

野生動物との衝突防止へ、2026年までに9カ所でフェンス設置拡大

 野生動物と車両の衝突を防ぐため、シンガポール政府は2026年までに新たに9カ所で保護フェンス(排除フェンス)を設置する。現在の3カ所から拡大される対象地域は、主にブキティマ自然保護区およびセントラルキャッチメント自然保護区周辺の幹線道路沿いである。
 
 国家開発相のデズモンド・リー氏は4月14日のフェイスブック投稿で、フェンス設置後、野生のイノシシやサンバージカの交通事故による死亡件数が2023年の6件から2024年は2件に減少したと発表。「ドライバーや同乗者にとっても野生動物にとっても衝突事故は大きなリスク。今回の減少は非常に心強い」と述べた。
 
 新たに設置されるフェンスは高さ1.8mで、大型哺乳類が飛び越えるのを防ぐ設計。加えて、小型動物であるセンザンコウなどが道路へ進入しないよう、フェンス下部には滑らかな素材を使用したパネルも設置される予定。
 
 フェンス設置は今後2年間で段階的に進められ、過去の事故データに基づいて選定されたリスクの高いエリアが対象となる。リー氏は、「森林地帯に隣接する道路では特に注意して運転してほしい」と市民に協力を呼びかけた。自然と共生する都市を目指し、官民一体での取り組みが求められている。

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