2025年2月11日
オーチャードで話題のゲリラマーケティング、QRコードの先には…
オーチャード・ロードの柱や街灯に貼られた謎の張り紙が通行人の好奇心を引きつけた。「ヘイ、ルーク。浮気してくれてありがとう」「君の“肉”の写真を世界中に公開するよ」と書かれた紙にはQRコードが添えられていた。
興味本位でQRコードをスキャンすると、表示されたのは元恋人の秘密ではなく、さまざまな種類のステーキの写真だった。これは、ニーアン・シティにある「アンガス・ステーキハウス」によるゲリラマーケティングの一環であった。
同店は2月4日、Facebookに通行人が驚く様子を収めた動画を投稿。「パートナーを裏切らないためのサイン」とのキャプションを添えた。
法的問題の可能性
しかし、このマーケティング手法には賛否両論が寄せられた。コメント欄には、公共の場に無許可で広告を掲示することの合法性を疑問視する声が見られた。また、公衆のQRコードスキャンは詐欺被害のリスクを伴うとの指摘もあった。
陸上交通庁(LTA)によると、公道の街灯に垂直バナーを掲示できるのは、国家行事や主要な祭典、政府機関が支援するイベントに限られる。オーチャード・ロードでの広告掲示には、シンガポール観光庁への申請が必要であり、建築建設庁(BCA)の屋外広告ライセンス取得や都市再開発庁(URA)の規制遵守が求められる。
オーチャード・ロードの街灯やバナーポールに広告を掲示する場合、オーチャード・ロード事業協会(ORBA)の承認も必要である。
広告主の対応
シンガポール広告基準局(ASAS)は2月6日時点で、この広告に関する苦情は受けていないと発表したが、広告内容を精査し、正式な見解を後日発表するとしている。
アンガス・ステーキハウスの広報担当者は、動画撮影後1時間以内に張り紙を撤去したと説明。掲示許可は得ていなかったが、「動画の演出のために一時的に設置した」と述べた。同店は「ほとんどが好意的な反応だったが、一部の人々は動画を最後まで見ずに悪意ある内容だと誤解した」とコメントした。