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社会

2025年2月4日

シンガポールのコーヒーショップのトイレ、公共トイレ調査で最低評価

シンガポール経営大学(SMU)が実施した公共トイレの調査によると、コーヒーショップのトイレは最も清潔度が低く、100点満点中46.26点という最低スコアを記録した。調査は2024年8月から9月にかけて行われ、国内1,428のコーヒーショップ、ホーカーセンター、MRT駅、ショッピングモールにある2,602カ所のトイレを対象とした。
 

清潔度の格差が明確に


 
ホーカーセンターのトイレは66.28点で、コーヒーショップよりは良好だった。一方、最も清潔だったのはショッピングモールのトイレで77.01点、MRT駅のトイレも75.97点と高評価だった。
 
調査はSMUの統計学講師ロージー・チン氏の指導のもと、200人以上の学生が17項目の基準をもとに実施した。評価基準には、便器や洗面台の清潔さ、石鹸やトイレットペーパーの有無などが含まれた。
 

深刻な衛生問題


 
調査結果によると、トイレの詰まりや換気の悪さなど14の項目で基準未満の評価が確認された。SMUは「清掃スケジュールが更新されていない、または存在しない場合が多く、蛇口や洗面台、石鹸のみが適切に維持されている」と指摘している。
 
特にコーヒーショップのトイレは、2016年、2020年、2023年、2024年の各調査で常に低評価のままであり、清潔度がほとんど向上していない。チン氏は「トイレと調理場の距離が近いことが衛生問題の一因である可能性がある」と述べ、写真を見るだけで食欲を失うほどの状態であると警告している。
 

有料化の可能性と改善策


 
調査では、4,905人(従業員510人、利用者4,395人)へのアンケートも行われ、約半数が「清潔さが保証されるなら有料でも利用したい」と回答。そのうち82%が10〜30セントの支払いを許容し、42%は50セントから1Sドル以上でも良いと考えていた。
 
トイレの管理責任について、42%が「利用者のマナーの問題」と答えたが、チン氏は「清潔を保つ責任は運営者にある」と指摘。彼女は、食品衛生認証のような評価制度の導入を提案した。
 
一方、世界トイレ機関(WTO)創設者のジャック・シム氏は、2020年に開始された「トイレ改善プログラム」に1,000以上あるコーヒーショップのうち、わずか44軒しか参加していない現状を指摘。運営者が衛生管理を怠った場合、公表することで清潔を促進できると提言している。

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