2025年1月23日
「非クリエイティブ」職種にも創造力が求められる時代に
従来「クリエイティブ」とされる分野以外でも、創造力が重要なスキルとして求められるようになっている。SkillsFuture Singapore(SSG)が1月22日に発表した最新のレポートによると、「非クリエイティブ」職種の70%で創造的スキルが必要とされていることが明らかになった。
例えば、ソフトウェア開発者が使いやすいアプリを設計するためにデザインスキルを必要とし、レストランマネージャーが集客のためのブランド構築スキルを求められるなど、幅広い分野で創造力が欠かせないものとなっている。
今回のレポートは「未来経済におけるスキル需要」の第4版で、クリエイティブスキルを特集。2019年以降、デザイン開発やブランド管理など40のスキルがさまざまな職種で転用可能となっており、創造力の需要が拡大していることが示された。
AIと創造的スキルの共存
教育・人材省のガン・ショウ・ホアン国務相は、生成AI(GenAI)がクリエイティブ業界に与える影響について触れ、「AIツールが創造的な作業を支援する一方で、それらを倫理的に使用することが重要である」と述べた。SSGの調査によると、クリエイティブ分野の専門家の50%以上がChatGPTやAdobe FireflyなどのGenAIツールを活用している。
さらに、新たに公開されたオンラインポータルでは、5,000以上のアプリやツールに関する情報を含むインタラクティブなダッシュボードが用意され、個人が自身のキャリアパスを効率的に探索できるようになっている。
SSGのジョブ・スキル洞察部門ディレクター、ヨー・ウィー・シオン氏は、「データを活用することで、キャリアの転換やスキルアップの道筋をより具体的に理解できる」と語った。
成長分野でのスキル需要
今回のレポートでは、ケア、デジタル、グリーン経済を引き続き成長分野として特集。2025年までに「グリーン施設管理」や「研究設計」などのスキルが特に求められると予測されている。
SSGの取り組みは、キャリア転換やスキル習得の道筋を示すだけでなく、創造力を核とした新たな労働市場の姿を描き出している。