2025年1月22日
シンガポールの半導体業界、若手人材育成に向けた新たな協力体制を構築
ドイツの半導体メーカー・シルトロニックと台湾のヴァンガード・インターナショナルは1月21日、シンガポールの技術教育学院(ITE)と提携し、半導体業界で活躍する若手技術者の育成を進めることを発表した。
この提携により、両社はITEの「Work-Study Diploma(WSDip)」プログラムを支援し、マイクロエレクトロニクスをはじめとする関連コースを後援する。これにより、学生たちはスポンサー付きのインターンシップや就職の機会を得られるとともに、カリキュラム開発に企業の意見を反映させることが可能となる。
学生500人以上が恩恵を受ける見込み
ITEによれば、今回の提携で500人以上の学生が恩恵を受ける予定であり、半導体業界の職務やキャリアに触れる機会が提供されるという。これまでにも、グローバルファウンドリーズやマイクロン、STマイクロエレクトロニクス、インテル、NVIDIA、マイクロソフトなどの企業と提携し、多くの学生がWSDipプログラムを通じて現場経験を積んできた。
今回の提携は学生だけでなく、企業の中堅社員を含む従業員のトレーニングプログラムや認証コースの設計にも役立てられる見通しである。
シンガポール、半導体拠点としての地位を強化
シンガポールの貿易産業省のアルビン・タン国務相は、半導体産業が国内総生産(GDP)の8%を占め、製造業従業員の10%を雇用していると述べた。また、世界の半導体生産における重要な拠点であり、近年では180億Sドル以上の投資を誘致して新たなビジネスと雇用の創出に貢献している。
タン氏は、「この成長を支えるには、強力な技術力と挑戦を恐れない精神を持つ人材が必要」と強調した。
シンガポール半導体産業協会(SSIA)のアン・ウィー・セン事務局長も、業界の将来性に触れ、AIやIoT、5G技術などの分野での需要増加に伴い、熟練した労働力の育成が重要になると述べた。
SSIAはまた、メンタープログラムを通じて学生と業界のベテランをつなぎ、若手が目的意識と自信を持って業界に飛び込める環境づくりを進めているという。