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経済

2025年1月24日

シンガポールの中核インフレ率、2024年12月に1.8%まで低下

 シンガポールの中核インフレ率は2024年12月、前年同月比で1.8%に低下した。これは11月の1.9%からの減少であり、2021年11月の1.6%以来の低水準である。経済学者の予測(1.7%)をわずかに上回ったが、サービスコストの抑制が全体のインフレ低下を後押しした。
 
 一方、全体のインフレ率は前年同月比1.6%で、11月と同水準だったが、ブルームバーグ調査の予測(1.5%)を上回った。民間輸送コストの緩やかな減少が、住宅関連と中核インフレの低下を相殺した結果である。
 
 2024年通年の中核インフレ率は平均2.7%となり、2023年の4.2%から大幅に低下。全体のインフレ率も2.4%で、前年の4.8%から半減した。
 

今後のインフレ見通し


 シンガポール金融管理局(MAS)と貿易産業省(MTI)は、2025年のインフレ予測を1月24日に発表する金融政策声明で更新する予定である。DBS銀行のエコノミスト、チュア・ハン・テン氏は、2025年の公式インフレ予測(1.5~2.5%)が下方修正される可能性を指摘し、「2025年の中核インフレ率は2%未満にとどまるだろう」と予測した。
 
 その背景には、物品サービス税(GST)の影響の薄まり、輸入インフレの抑制、国内コストの消費者価格への転嫁減少が挙げられる。OCBC銀行のセレナ・リン氏も、2025年にはGSTの影響がさらに緩和されるとの見解を示した。
 

分野別のインフレ動向


 2024年12月の食品インフレ率は2.5%(11月は2.4%)に上昇したが、サービスインフレ率は1.8%(同2.2%)に低下。住宅インフレ率も2.2%(同2.4%)へ緩やかに減少した。
 
 一方、電気・ガスのインフレ率は2.5%で変わらず、小売品やその他の商品インフレ率は0.3%に上昇。公共交通機関の料金改定(2024年12月28日)による影響が、一部インフレ指標に反映されている可能性がある。
 
 中核インフレのさらなる抑制が期待される中、シンガポールは安定した物価環境を維持するための政策調整に注力している。

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