シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPLTA、道路維持管理と建設方法の改善策を模索

政治

2025年1月13日

LTA、道路維持管理と建設方法の改善策を模索

 陸上交通庁(LTA)は、管轄する約9,500車線㎞の道路の維持管理を強化するため、新たなアイデアを公募している。維持管理ニーズの測定と予測に加え、道路設計・建設方法の改善案も求めている。
 
 現在、LTAはビデオ解析と人工知能(AI)を組み合わせて道路表面の欠陥を検出している。また、レーザー装置や摩擦測定器など3種類の専用機器を使用して路面性能を評価している。これらは十分な成果を上げているものの、新技術や自動データ収集技術の進展により、データ活用を拡大して維持管理をさらに向上させる可能性があるとLTAは述べている。
 
 新たに構築される「シンガポール路面性能システム」では、デジタルプラットフォーム上で道路状況を評価し、維持管理に必要な措置を推奨する仕組みを導入する予定である。これにより、コストや生産性を20%以上削減できることが期待される。さらに、交通負荷や環境条件を考慮した劣化モデルを活用して、維持管理計画を長期的に予測するツールの開発も求めている。
 
 LTAはまた、過酷な気象条件や電気自動車(EV)など多様な交通負荷に対応するため、従来の道路建設設計に代わる提案を募集している。特に、EVの回生ブレーキによる路面劣化や交通負荷の増加に対応した設計が重要視されている。
 
 新しい方法により、道路や高速道路のライフサイクルコストを20%以上削減し、交差点やバス停留所の舗装作業時間を半減することを目指している。現在、交差点やバス停留所の舗装工事は5~7日を要するが、新技術によりユーザーへの影響を軽減することを目指している。
 
 LTAは、効率的な維持管理によって道路ネットワークの安全性と信頼性が向上すると述べており、これにより道路利用者へのメリットが大きいと期待している。

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