2025年1月13日
住所変更システム停止、ICAがセキュリティ強化措置を実施
移民関所局(ICA)は、約60人の住所が詐欺師によりオンラインで無断変更されたことを受け、住所変更機能を一時停止した。詐欺師は被害者のNRIC番号とSingpassの詳細を入手し、ICAの住所変更システムのセキュリティを回避したとみられる。
ICAは、さらなる不正行為を防ぐため追加のセキュリティ対策を講じており、1月14日にサービスを再開する見込みである。また、2024年9月以降、未承認の住所変更が複数報告されており、これが犯罪組織によるSingpassアカウントの乗っ取り手段である可能性が高いとされる。
詐欺師は「他人代理」機能を悪用し、被害者のNRIC番号と発行日を入力して住所変更を申請していた。新しい住所に送られるPINコードを利用し、被害者のSingpassパスワードをリセットしてアカウントを掌握する手口が明らかになった。
ICAは現在、影響を受けた約80件のうち75%が成功していたことを確認している。被害者の住所は正しいものに戻され、同局はNRICを再発行する予定である。また、被害者のSingpassアカウントは政府技術庁と連携してリセットされる見通しである。
ICAのシム長官は1月11日の記者会見で、外国勢力の関与は確認されておらず、詐欺師は地元の人間である可能性が高いと述べた。被害者に特定の傾向は見られないという。
今後、Singpassログインに顔認証技術を統合し、第三者が不正に住所変更サービスを利用するリスクを最小化することを検討している。住所変更を代理で行う必要がある人は、ICAビルのICユニットで直接手続きを行うことが推奨される。
ICAは、関係者への連絡と再発防止策の実施を進めるとともに、警察による捜査が続いていることを明らかにした。