2024年12月17日
シンガポール、移民法違反者の宿泊・雇用増加に警戒
シンガポールにおいて、移民法違反者への宿泊提供や雇用に関連した逮捕者が2024年1月から9月までの間に前年同期比31.6%増加したと、移民・関門局(ICA)が発表した。この増加傾向は懸念材料であり、同局は取り締まりを強化している。
ICAによると、違反者の多くは失効または取消された就労パスを持つ者である。多くの事例は市民からの情報提供や現場調査を通じて明らかになったという。
ICAの情報部門の責任者補佐であるチャイ警部補は、「この傾向は潜在的に危険であり、違反者が不法活動に関与している可能性を排除できない」と指摘。「宿泊や雇用を提供する者が適法性を確認しない場合、安全保障上のリスクになる」と警鐘を鳴らしている。
2024年9月、トアパヨの屋台で行われた摘発では、2022年2月にビザが失効した中国籍男性が不法就労していた。この男性は14週間の禁錮刑と鞭打ち3回の刑を言い渡された。さらに、彼を宿泊させていた者には3,500Sドルの罰金が科された。
ICAは月60件に及ぶ情報収集作戦を実施し、不法滞在や不法就労の問題に取り組んでいる。同局は、住宅所有者や雇用主に対し、外国人の移民ステータスを確認する義務を強調。「無知は言い訳にならない」として、公式ウェブサイトや確認方法を周知している。
移民法違反者への宿泊や雇用を提供した場合、最高24ヵ月の禁錮刑、6,000Sドルの罰金、またはその両方が科される可能性がある。政府は引き続き、違反者の摘発と法執行の強化を進めていく方針である。