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経済

2024年12月2日

シンガポールの実質中央値所得が3.4%増加、低賃金労働者との格差縮小

 シンガポールの労働市場において、2024年の実質中央値所得が前年より3.4%増加したことが、シンガポール労働省(MOM)の発表で明らかになった。この増加は、物価上昇率を考慮した後の実質的な収入の伸びを示しており、特に低賃金労働者との所得格差が縮小したことが注目されている。
 

所得増加の背景


 MOMによると、収入増加の背景には安定した経済成長と労働市場の回復があった。2024年の名目中央値所得は5.2%増加しており、物価上昇を除いた実質所得の伸びが確認されている。
 
 特に、低賃金労働者の所得が大幅に改善した。所得の下位20%に位置する労働者の実質所得は前年比で4.5%増加し、中央値を上回る成長率を記録した。この結果、低賃金労働者と中央値所得者の格差が縮小した。
 

政策の影響


 政府の賃金補助やスキルアップ施策も、所得改善に寄与したとみられている。特に「プログレッシブ・ウェイジ・モデル(PWM)」と呼ばれる制度は、低賃金労働者の給与引き上げを目的とし、清掃や警備、園芸などの分野で具体的な成果を上げている。
 

将来の課題


 MOMは、全体的な所得向上を評価しつつ、賃金格差のさらなる縮小を目指して政策を進める必要があると強調している。特に、デジタル技術の進化や経済の変化に対応するため、労働者のスキル向上が重要な課題とされている。
 
 今回の結果は、シンガポールの経済と社会の両面で前向きな兆候を示しているが、持続可能な成長を維持するためには引き続き努力が求められている。

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