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経済

2024年11月22日

シンガポール、2024年成長予測を3.5%に上方修正

 シンガポール経済は2024年第3四半期、前年同期比で5.4%拡大し、政府の成長予測を上回る結果となった。この好調なパフォーマンスを受け、貿易産業省(MTI)は2024年の成長予測を従来の2~3%から「約3.5%」に上方修正した。
 

2024年の成長要因


 成長を牽引したのは、製造業、卸売業、金融保険業の分野である。特に製造業は、世界的な電子機器需要の回復を背景に、前年同期比で11%の成長を記録した。サービス産業全体では4%の成長となり、輸送・保管業(7.5%増)、金融保険業(5.4%増)、卸売業(4.9%増)が特に好調だった。一方、消費者向けの小売業や飲食サービス業は、観光客の回復が予想よりも遅れた影響で引き続き低迷している。
 

世界経済の影響と2025年の展望


 MTIは、2025年の経済成長を1~3%と予測している。米国では消費成長の減速により成長が鈍化する一方、ユーロ圏は消費拡大と投資回復が期待されている。アジアでは、中国の輸出低迷が成長を抑制するものの、東南アジア諸国は電子機器需要の高まりを背景に堅調な成長が見込まれている。
 

消費者向け産業の課題


 MTIは、観光業や消費者向け産業の見通しが弱まっていると指摘。特に宿泊業、小売業、飲食サービス業は国際的な観光客数の回復の遅れと消費の低迷に直面している。それでも、外部需要の堅調さと電子機器需要の回復が2024年の成長を支えると見られている。
 
 第3四半期の好調な結果に基づき、2024年のシンガポール経済は力強い成長を維持する見通しという。

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