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社会

2024年3月27日

シンガポール喫煙者、タバコの本数は減少もVAPEを吸う人は増加

 シンガポールの喫煙者は、タバコの本数が減っているが電子タバコやヴェポライザーなどの製品の使用が増加していることが調査でわかった。
 
 Milieu Insight社による調査によると、1週間あたりの平均喫煙本数は、2021年第3四半期の72本から2023年第4四半期には56本に減少したが、電子タバコやヴェポライザーのような代替製品の使用率は、同じ期間に人口の3.9%から5.2%に増加した。
 
 2022年第2四半期以降、週当たりの喫煙本数は徐々に減少している。これは、この期間に常用喫煙者に比べて臨時喫煙者の割合が増加したことにも起因していると、市場調査会社は26日に結果を発表した。
 
 Milieu社が12月16日から12月29日にかけて実施した調査によると、2021年第3四半期から2023年最終四半期にかけて、時折喫煙する人の割合が1.2ポイント増加し、3.2%となった。また、同じ期間に元喫煙者の数も増加していた。
 
 シンガポールの人口に占める常用喫煙者の割合が2021年第3四半期の10.5%から2023年第4四半期には9.5%へと減少するなかでの調査だった。
 
 21歳から69歳のシンガポール市民と永住権保持者6,000人を対象にしたオンライン調査では、電子タバコのような代替製品は、常用喫煙者か時折喫煙者が主に使用していることがわかったが、中でも時折喫煙する人の使用率が最も高かった。
 
 また、非喫煙者や元喫煙者でも同様の利用増加が見られた。
 
 常用喫煙者とは、1日3本以上、および/または週平均10本以上の喫煙者と定義した。
 
 シンガポールでは2018年以降、ヴェポライザーや電子タバコのようなデバイスは非合法化されており、医療専門家は、使用者が呼吸器疾患を含む深刻な怪我を負う可能性があると警告している。
 
 世界保健機関(WHO)は、電子タバコは有害であると宣言しているが、この製品が合法的な禁煙補助剤であるとは認めていない。
 
 タバコを吸い、代替製品を使用している回答者は、電子タバコやヴェポライザーなどの機器を使用する理由のトップは、タバコの消費量を減らすことだと答えた。
 
 また中には、副流煙を減らしたい、何か違うものを試してみたいという理由もあった。
 
 代替品のみを使用している回答者は、その理由のトップとして、これらの製品の味が好みであることを挙げている。
 
 代替品の利用が増加したことで、シンガポールでコーヒーショップ、飲食店、食料品店を経営する780人の会員からなる4つの業界団体が26日、反ベイプキャンペーンとして、店内に禁煙ポスターやテーブルステッカー掲示を開始した。また、コーヒーショップや飲食店の店員も利用客にVAPEをやめるよう声をかけるという。
 
 シンガポール保健省(MOH)とシンガポール保健科学庁(HSA)は2023年12月、シンガポールにおけるVAPEの足場固めを防ぐため、VAPEに対する取り締まりと教育活動を強化すると発表していた。
 
 同月、当局は1,656件のヴェポライザーに関連するケースを検出しやところ、かなりの数のユーザーがオンラインや海外の業者から機器を購入していたという。

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