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経済

2022年11月14日

第3四半期経済成長率14.2%、コロナ規制の反動増

 

 マレーシア中央銀行は11月11日、2022年第3四半期の実質国内総生産(GDP)成長率が前年同期比14.2%だったと発表した。4四半期連続のプラスで、伸び率は前四半期の8.9%から加速。前年は新型コロナウイルス流行で6月から全国的な活動制限令(MCO)が敷かれたことで冷え込んでおり、大幅な反動増となった。01年以降では同じく新型コロナ禍の反動増があった21年第2四半期の15.9%に次ぐ高さとなった。
 
 成長率を産業別にみると、5部門すべてがプラスだった。最も伸びたのはGDPの57.0%を占めるサービス業で16.7%。前四半期の12.0%から伸びが加速した。新型コロナ関連規制の緩和や、それに伴う外国人来訪者数の増加が追い風となった。製造業は13.2%で、前四半期の9.2%から加速。半導体や輸送機器がけん引した。建設は15.3%で、前四半期の2.4%から大きく加速。商業施設や複合施設、小規模案件などの建設が進み高成長となった。鉱業は9.2%、農業は1.2%で、ともに前四半期のマイナスからプラス転換した。
 
 成長率を支出別にみると、GDPの58.8%を占める個人消費は15.1%で、前四半期の18.3%から伸びがやや減速。一方、民間投資は13.2%で、前四半期の6.3%を上回った。政府支出は4.5%、公共投資は13.1%、輸出は23.9%、輸入は24.4%それぞれ拡大した。
 
 1〜9月のGDP成長率は9.3%だった。中銀は、第4四半期は新型コロナの反動効果が小さく、世界的な景気後退もあって成長が鈍化するとみている。23年の成長率は4.0〜5.0%を見込む。
 
 一方、インフレは第3四半期の4.5%が22年のピークになったとの見方。また為替市場ではリンギが対米ドルで同四半期に4.9%下げており、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを進める中で今後もリンギ安圧力は続くとみている。
 
 中銀のノル・シャムシア・ユヌス総裁は、リンギ安により輸出が大きく伸び、雇用拡大や賃金上昇にもつながったが、通貨安による価格競争力の向上に依存しすぎるべきでないと指摘。低賃金を武器にするのでなく、生産性や技術力を高めることで、給与を上げつつ競争力を付けるべきとしている。
 

(提供:亜州ビジネスASEAN

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