シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPチャンギ空港、旅行者に対して、手数料を徴収

経済

2022年9月16日

チャンギ空港、旅行者に対して、手数料を徴収

 国際航空輸送がCovid-19の影響から回復しつつある中、チャンギ空港を利用する乗客は11月1日(火)から空港使用料を追加で支払わなければならなくなるという。
 
 チャンギ空港を出発する乗客は現在、チャンギ空港グループ(CAG)が徴収する35.40Sドル(約3,600円)の乗客サービス・セキュリティ料と、政府が徴収する6.10Sドル(約623円)の航空徴収金、10.80Sドル(約1,100円)の空港開発徴収金からなる52.30Sドル(約5,323円)の出発料金を支払っている。
 
 9月15日(木)に発表された値上げにより、11月1日からの出国手数料は6.90Sドル(約704円)増の59.20Sドル(約6,027円)となり、その後2023年4月から62.20Sドル(約6,400円)、2024年4月から65.20Sドル(約6,700円)に値上げとなる。
 
 シンガポール民間航空局(CAAS)とCAGは共同声明で、11月1日以前に航空券を発行した乗客は、高い手数料や課徴金を支払う必要はないと述べた。
 
 乗り継ぎ客の出国料は変更されず、各フライトの空港使用料として9Sドル(約918円)を引き続き支払うことになる。
 
 一方、航空会社は航空機の駐機料や着陸料も多く支払わなければならないとCAASとCAGは付け加えた。
 
 声明によると、徴収された料金や徴収金は、CAGの運営やターミナルのインフラ整備、将来の開発計画、CAASの航空ハブ開発および規制機能に充てられるという。
 
 チャンギ空港の空港使用料は2018年を最後に改定され、当局はCovid-19のパンデミックの間、さらなる値上げを控えていた。
 
 今回の料金引き上げは、パンデミック開始時の航空交通量の激減により2020年5月に閉鎖されたチャンギ空港ターミナル4が、9月13日(火)に初便を迎えたのと同じ週に行われた。
 
 年間1,600万人の旅客を扱うターミナル4の再開は、10月11日(火)からのターミナル2の南半分の再開と同様、チャンギ空港のキャパシティを増やすことになる。
 
 これにより、チャンギ空港の処理能力は、パンデミック前の年間7,000万人という水準に回復することになる。
 
 2年以上にわたる国際線制限により世界中の空港の収益が悪化したため、チャンギ空港だけが料金を引き上げているわけではないという。
 
 昨年11月、アムステルダムのスキポール空港は、航空会社に課す手数料を今後3年間で37%引き上げる計画を発表し、国際航空運送協会(IATA)から激しい非難を浴びた。
 
 今月初めには、オランダの新聞De Telegraafも、オランダ政府が来年1月に同国の航空旅客税を現在の7.95ユーロから3倍以上の28.58ユーロ(40Sドル)にする計画だと報じた。
 
 国際航空運送協会(IATA)のアジア太平洋地域副会長であるフィリップ・ゴー氏は、追加コストは航空会社の財務に悪影響を及ぼすため、チャンギ空港での値上げのタイミングは理想的とは言えない。アジア太平洋地域の航空業界はまだCovid-19の大流行からの回復の初期段階にあり、需要が70%以上に回復した他の地域と比較して、今年7月の時点でこの地域の国際旅客需要は2019年のレベルの約36%にとどまっていると指摘した。
 
 ゴー氏は、CAGとCAASが航空関連料金の引き上げを2年間停止したことを評価しており、シンガポール政府からの財政支援パッケージと相まって、航空業界が「その歴史の中で最も困難な時期」を乗り切ることができた。業界としては、当局が値上げを見送ることが理想的であった。シンガポールのような航空ハブは、航空会社にとってその魅力を維持するために、費用対効果を確保しなければならない。2024年に行われるこれらの料金の次の規制見直しが、航空料金のさらなる引き上げを検討する際に、節度と改善の必要性を念頭に置いて行われることを希望すると述べた。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPチャンギ空港、旅行者に対して、手数料を徴収