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社会

2022年7月18日

この1年で変わった子どもへの接し方

 以前は、エレイン・タンさん(50歳)の最大の関心事は、子どもが良い成績を取れるようにサポートすることであったが、今は、娘が幸せで、精神的に健康であることを第一に考えている。
 
 ここ1年ほどは、リバーバレー高校(RVHS)の短大2年生になった娘に、よりソフトな子育てをするようになったという。
 
 昨年7月19日、同校の16歳の生徒が、学校で仲間の生徒(13)を殺害したとされる事件が起きた。
 
 同校の生徒を持つ親たちは、子どもの心の健康状態を監視し、ストレスを増やさないように気を配ることに重点を切り替えてきたと、勉強熱心だ。
 
 また、この1年、学校は生徒をサポートする取り組みを強化し、カウンセリングサービスの申し出を電話や電子メールで生徒や保護者に定期的に伝えてきたと話す保護者もいる。
 
 タンさんは、自分の子育ての仕方を反省し、間違ったことに目を向けていたことに気づいたという。
 
 以前なら、彼女は娘に何時間も評価本をやるように勧めていた。採点される以上、娘には頑張ってほしかった。苦手な科目は家庭教師を何人か雇って助けてもらった。でも、心の健康を考えるなんて、思いもよらなかったと彼女はいう。
 
 この1年間、彼女は娘の精神的な健康を優先し、毎日娘の様子を確認してきた。
 
 タンさんは、子供たちはすでに競争の激しい環境に置かれている。私たち親がこれ以上ストレスを与えることは、娘たちにとって一番必要ないことである。私は、娘の一日が学校でどのようなものであったかを知るために、結果や次のテストがいつであるかについて尋ねないように、試してみようと思う。それが子供のストレス対処法だと思うからと述べた。
 
 Boon Lay Avenueにあるこの学校は、12歳から18歳までの生徒が在籍し、6年間のIntegrated Programmeを実施している。Oレベルを飛ばして、6年次にAレベルを受けることができる。
 
 この学校で学ぶ15歳の息子を持つジョセリン・チャンさん(45歳)は、特に学校でストレスを感じている息子への言葉がけに気をつけるようになったという。
 
 携帯電話ショップのオーナーであるチャンさん、あまり質問しないようにしている。彼がどう感じているかを説明させ、そこから私がどう手助けするのがベストかを考えるという。
 
 また、彼には別の学校に通う18歳の娘がいるが、日頃から学業成績についてあれこれ言うのをやめ、子供たちが助けを求めてくるのを待つことにしているという。
 
 保護者の中には、RVHSのニュースレターが成績だけに焦点を当てるのではなく、健康であることなど、他の種類の成功も祝福していることに気づいたと言う人もいた。
 
 タンさん、学校がどのように保護者とパートナーシップを築き、生徒がカウンセリングや相談が必要な場合、学校に助けを求めることができるのかが書かれているのを目にするようになったという。
 
 同校の保護者会は、保護者向けの健康セミナーを開催し、生徒にも参加を呼びかけている。 
 
 プロミス・ヘルスケアの上級法医学心理士であるジューン・フォン氏は、学校だけでなく、親が子どもの幸福を支援するためのリソースをもっと利用できるようにすることを求めた。
 
 彼女は、親は一般的に、子供をサポートする方法を学ぶことに熱心で投資していると思うが、ただその方法を知らないだけである。親は家庭で子供とつながるための適切なアプローチを見つける必要があり、育児ワークショップに行くことを躊躇してはいけないとという。
 
 15歳の娘を持つリン・シンファンさん(39歳)は、家庭こそが生徒の幸福を実現する最初の場所だという。彼女には、別の学校に通う14歳の息子もいるが、子どもたちと十分な時間を過ごすことで、子どもたちが安心して何でも話せるようにしているという。

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