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社会

2021年12月8日

ワクチン接種をせずにCovid-19に感染した場合はどうなるか

 12月8日(水)より、Covid-19に対する「選択的」な予防接種を受けていない人が感染した場合、治療費は自己負担となる。ワクチン接種をせずに感染した場合はどうなるかについて説明する。
 

Q:12月8日以前にすでに入院している人にも適用されるか?


 
 A:2021年12月8日以降に病院やCovid-19治療施設に入院した、ワクチンを接種していないCovid-19患者に適用される。12歳未満の子どもや医学的理由でワクチンを接種できない人など、ワクチン接種に不適格な人のCovid-19医療費は、これまで通り政府が全額負担する。

Q: ワクチンを1回接種しました。2回目の接種前にCovid-19で入院した場合、治療費を支払う必要があるか?


 
 A: いいえ。当局は、部分的にワクチンを接種した人は、完全に接種するまでの時間を考慮して、12月31日までは料金を請求しないとしている。
 
 「シノバック」または「シノファーム」のワクチンを2回接種した人は、2回目の接種から4ヵ月間、または12月31日のいずれか遅い日までは完全接種とみなされる。その後、3回目の接種を受けた場合に限り、完全接種の状態を維持することができる。それ以外の場合は、感染してもCovid-19の治療費を自己負担しなければならない。
 

Q: ワクチンを接種していないCovid-19患者は、治療費の支払いに保険を使うことができるか?


 
 A: はい。必要に応じて、通常の医療費補助制度を利用して治療費を支払うことができる。政府からの補助金や、市民や永住権保持者のためのMediShield LifeやIntegrated Shieldプランなどがある。
 

Q: 請求額はどのくらいか?


 
 A: 請求額は、病状の重症度や治療を受けた場所によって異なる。シンガポール保健省(MOH)は、選択によりワクチンを接種せず、集中治療室(ICU)で治療を受けることになったCovid-19の患者は、補助金を受ける前に約25,000Sドル(約210万円)の請求を受ける可能性があると述べている。この25,000Sドルという金額は、ICUでの治療とCovid-19治療薬の両方を必要とする場合の急性期病院の請求額の中央値であり、高額になる可能性がある。
 
 MOHは、政府からの補助金やMediShield Lifeの適用により、補助金対象の病棟に入院しているシンガポール人であれば、請求額を2,000Sドル(約16万6,000円)から4,000Sドル(約33万2,000円)程度に抑えることができるという。
 
 ワクチンを受けていない人がCovid-19治療施設に送られた場合、7日間の入院で約4,500Sドル(約37万4,000円)の請求が予想される。
 
 MOHによると、シンガポール国民の場合、補助金とMediShield Lifeが適用される場合は、自己負担額は約1,000Sドル(約8万3,000円)となるという。
 

Q: なぜ政府は国民にCovid-19の医療費を払わせるのか?


 
 A: MOHがこの発表を行った際、ワクチンを接種していない人が集中的な入院治療を必要とする人の大部分を占めており、国の医療資源の負担に不均衡に貢献しているという。
 
 同省は、60歳以上の高齢者がワクチンを接種していない場合、特にCovid-19による重症化のリスクが高いことから、対象となる人がいれば、より多くの人にワクチンを接種してもらいたいと考えている。
 
 12月7日の時点で、病院には827人のCovid-19患者がいます。酸素補給が必要な患者は146人、ICUに入院している患者は55人です。
 

Q: ワクチンを接種しないのは我々の選択なのに、なぜ罰せられなければならないのか?


 
 A: 多くの人が亡くなったパンデミックの中で、安全で効果的なワクチンがあるにもかかわらず、Covid-19のワクチンを接種しないという選択は、他の人々、特にワクチンを接種できない弱い立場の人々の健康に大きな影響を与えるという。
 
 このように、人権の観点から、他人による危害からの自由についての議論があり、飲酒運転が違法である理由と同等の議論がある。また、集団の利益のために何かをするという概念は、人々が個人の信念だけに基づいて決定を下すようになると崩れてしまう。世界では、シンガポールの771人を含む500万人以上のCovid-19感染者が死亡しているという。
 

Q: Covid-19の医療費を自分で支払わなければならない人は他にいるか?


 
 A: すべての短期滞在パス保持者は、シンガポールでの治療費を自分で支払う必要がある。シンガポール人、永住権保持者、長期滞在パス保持者も、Covid-19の検査で陽性反応が出た場合、あるいは入国後14日以内に症状が出た場合には、治療費を支払う必要がある。
 
 2022年1月1日以降は、ワクチンを完全に接種し、最近渡航していないシンガポール人、永住権保持者、長期滞在パス保持者に限り、Covid-19の医療費を政府が全額負担することになる。

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