シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPオミクロン変異株に係る水際対策等の強化について

政治

2021年12月1日

オミクロン変異株に係る水際対策等の強化について

 オミクロン変異株と呼ばれるようになった、より感染力が強い可能性のあるCOVID-19ウイルスの変異株の出現に応じ、11月26日、シンガポール関係省庁タスクフォース(MTF)は、影響を受けた国/地域*からの渡航規制を発表した。また11月28日、影響を受けた国/地域への経路となる国*²とのVaccinated Travel Lanes(VTL)の開始を延期した。

 ※ボツワナ、エスワティニ、レソト、モザンビーク、ナミビア、南アフリカ、ジンバブエ
 ※2 カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦

 これまでのところ、オミクロン変異株はシンガポールでは確認されていない。しかし、ここ数日の間に感染を報告した国が増えており、この変異株が世界的に広がっていることを示している。シンガポールはワクチン接種率が高い上に、強力なブースター接種プログラムを推し進めていることから、この新しい変異株に対してある程度の防御力を有していると政府は認識。MTFは状況を注視しており、変異株の特性を判断するために世界中の保健当局に確認している。また、シンガポールに拡散される確率を減らすべく予防措置を講じて、変異株及びそれへの最善の対処法に関する更なる知識を蓄積できるようにする。
 

オミクロン変異株の評価に関する最新情報

 南アフリカでは、オミクロン変異株の感染者の割合が急速に増加している。11月29日時点で、この変異株は、少なくとも13か国で主に最近渡航歴のある人から検知された。各国が変異株の監視を強化し続けているため、世界的にはさらに多くの感染件数が予想される。南アフリカ全体のCOVID-19感染率は低いままだが、増加しているという。
 
 関係省庁タスクフォース(MTF)はオミクロン変異株の感染力、潜伏期間と感染期間、重症化、既存のワクチンの有効性など、より多くの情報を注視しています。オミクロン変異株のゲノムに見られる変異のいくつかは、感染力を高め、ワクチンの有効性を低下させる機能があることが分かっている。ワクチンの有効性に関して、現在のデータでは、既存のワクチンが重症化と死亡を防ぐのに引き続き有効であることを示しているが、この変異株が、ワクチンや治療法を含む、既存の対抗措置に実際どう影響するかを理解するには、更なる研究が必要になる。
 

すべての渡航者への到着時PCR検査およびVTL渡航者への追加抗原迅速検査(ART)

 より多くの情報が得られるまで、オミクロン変異株の検知と封じ込めを強化するために、政府は12月2日23時59分(シンガポール時間)以降にシンガポールに到着する渡航者への検査措置を強化する(詳細)。これらの強化措置は、最初4週間適用され、必要に応じて見直しないしは延長される。
 
 空路入国者又はシンガポールで乗り継ぎをする者は、12月2日23時59分(シンガポール時間)以降、カテゴリー1の国/地域からの渡航者を含め、シンガポールへの出発前2日以内に出発前テスト(PDT)*を受け、陰性証明書を得る必要がある。カテゴリー2(VTLを除く)、3および4の国からの渡航者を含むすべてのシンガポール入国者は、到着時にPCR検査を受検する必要がある。

 ※カテゴリー1から3までの国/地域からの出発前検査(PDT)として、RT-PCR検査または有資格者により実施された抗原迅速検査(ART)の結果を有効なものとして扱う。カテゴリー4の国/地域の有効な出発前検査(PDT)として認められるのはRT-PCR検査の結果のみ。

 12月2日23時59分(シンガポール時間)から 、同時刻以降に到着したVaccinated Travel Lanes(VTL-Air)*を利用した空路入国者も、到着後3日目と7日目に、クイックテストセンターで監督の下自主抗原迅速検査(ART)を追加的に受ける必要がある。これらの措置により、オミクロン変異株の持ち込みを最小限に抑え、オミクロン感染者を迅速に検知して隔離させることができる見込み。

 ※マレーシアとの陸路を経由するVTL渡航者は、出発前検査(PDT)と到着時のARTのみが課される別の措置が適用される。VTL-Landによる感染持ち込みのリスクは、マレーシアがオミクロンの影響を受ける国/地域に課した渡航禁止令、および初期段階では利用対象者を両国の国民、永住者、または長期パス保有者に制限することによって軽減される。

過去2週間に影響を受けた国/地域からの渡航者に対するサーベイランス

 シンガポール入国前14日間の間にオミクロンの影響を受けた国/地域に渡航し、11月12日から27日の間に到着した渡航者を対象に、サーベイランスのためPCR検査を1回実施する。これらの渡航者には、受検日時と場所が通知される。
 

影響を受ける国境最前線の職員のためのPCR RRT

 国境がオミクロン変異株の持ち込み阻止のための防衛最前線であることから、予防措置として、12月2日からオミクロン変異株の影響を受けた国/地域からの渡航者と接触する可能性のある空港およびその他の国境の最前線の職員を対象とした毎週のPCR Rostered Routine Testing(RRT)を実施。PCRを基本とした検査は、オミクロン変異株の検知を容易にする見込み。
 
 対象国からの航空機の乗務員に対しては、到着時のPCR検査、および各飛行業務後の3日目と7日目に到着後PCR検査が行われる。他の空港および国境の最前線の職員に対しては、ARTを基本とするRostered Routine Testing(RRT)を継続。追加の予防策として、ARTが陽性である人は、確認のためPCR検査を受検する必要がある。快復した人を含むすべての国境の最前線の職員は、RRTを受けなければならない。これにより、国境でオミクロン変異株に感染した可能性のある感染者を速やかに検知できるようにする。
 

確認された又は疑いのあるオミクロン感染者への管理強化

 オミクロン変異株感染が確認されたまたは疑いのある感染者は、自宅療養は許可されず、隔離と管理のために国立感染症センター(National Centre for Infectious Diseases)に搬送される。また接触者を十分に追跡の上、濃厚接触者を特定し、自宅での自己隔離の代わりに、政府の隔離施設で10日間の隔離を行い、隔離の開始時と終了時にPCR検査を実施する。
 

渡航勧告の更新

 シンガポールのすべての在住者は、追って通知があるまで、ボツワナ、エスワティニ、レソト、モザンビーク、ナミビア、南アフリカ、ジンバブエなど、リスクの高い国/地域へのすべての渡航を延期することが勧告される。さらに、オミクロン変異株の感染が報告されている国/地域、またはこれらのリスクの高い国/地域への行き来が多い国を訪れる渡航者は、現地で要求されていなくても、マスクの着用を含め、個人衛生やSMMs(Safe Management Measures)に注意を払うなど、念入りに予防措置を講じることが推奨される。
 

提供:在シンガポール日本国大使館

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPオミクロン変異株に係る水際対策等の強化について