2021年3月17日
南方海上での魚の養殖を推進へ、ジョホール水道はほぼ満杯
シンガポール食品庁(SFA)は食料自給率引き上げ計画の一環として本島南方海上での魚の養殖を推進する方針だ。養殖可能な数、周辺環境への影響などの調査は年内に終わる予定で、利害関係者から意見を聞き、3~4年後をめどに養殖場を決め、賃貸する。
SFAは18年にも本島北部とマレーシア・ジョホール州との間に位置するジョホール水道における調査を行ったことがある。
シンガポールの養殖場は110カ所あり、うち108カ所がジョホール水道にあり、2カ所が南方の深海域。
ジョホール水道の調査では、一部の海域では生産能力の限界に近づいているが、管理手法次第では養殖数を増やすことできると結論付けた。
過剰養殖は水質の悪化につながる恐れがあり、SFAは持続可能性の高い養殖慣行の採用に向け業界と協議を持っている。これには、養殖が海域に与える影響の監視、優れた飼料の利用が含まれる。
養殖魚生存率を引き上げるとともに、周辺海域の劣化を防ぐためで、海域が劣化すると天然魚の生存にも影響するという。
環境団体フレンド・オブ・マリーンパークによれば、南方海域はイルカ、カメなどが生息する生物多様性豊かな場所で、水質悪化が起こらないよう、段階的な養魚場の拡大が望ましいという。