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社会

2021年3月5日

HDBフラットで猫が飼えない現状、議員が問題提起

 シンガポール議会にて、HDB(公営住宅)における猫の飼育が再び議題に挙がっている。動物福祉慈善団体(Animal Concerns Research and Education Society)の創設者でもあるルイス・ン議員は、HDBフラットの住民にも猫の飼育許可を出すべきだと提言しており、長年この問題を解決すべく活動してきた。「コンドミニアムでの猫の飼育が許可されている一方で、HDBフラットで禁止されている現状は筋が通らない」とン議員は指摘する。
 
 とあるバンコク在住のシンガポール人は、2匹の猫と暮らしているが、HDBにおける猫飼育禁止規定のためシンガポールに帰国することが出来なかったという。民間住宅を購入する余裕がなく、HDBフラットを住居とするシンガポール人にとって、自国で猫を飼い続けることは不可能だ。
 
 猫の飼育をめぐるン議員の提言に対して、デスモンド・リー国家開発相は、この問題を前向きに検討しているとの回答を示した。リー国家開発相は「責任をもってペットを飼育できる環境を実現させたいが、近隣住民との関係など、考慮すべき事柄とのバランスを保たなければならない」と述べている。
 
 ン議員は2020年の1年間のうち、少なくとも3回、HDBフラットにおける猫の飼育について議会で提言してきた。ン議員はHDBフラットにおいてペットがコミュニティ内でのトラブルの原因とならないのであれば、飼育を許可する方針に変えるべきだと繰り返し主張している。

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