2021年3月3日
ミャンマーの軍事クーデターは大きな後退、会見でリー首相
シンガポールのリー・シェンロン首相は2日、英国放送BBCとの単独会見に応じ、2月1日にミャンマーで発生した軍事クーデターについて、悲しむべき大きな後退であり、市民、デモ隊に対する武器使用は受け入れられないと軍部の行動を批判した。
ミャンマー全土で市民による抗議行動が始まり、当局による武器使用で、これまでに少なくとも21人が死亡した。
ミャンマーは1988年の民主化運動弾圧後、軍政に移行したが、2003年、民主化行程表を発表し、選挙を経てスー・チー氏の国民民主同盟(NLD)が政権の座に就いた。
シンガポールがミャンマーへの制裁に乗り出さない理由を問われたのに対し、リー氏は「外部者はほとんど影響を与えることができない。前の軍政の時もそうで、ミャンマーとの会談を望む国がほかになかったため、ミャンマーは中国に頼るという結果を招いた」と説明した。また制裁を行っても軍部は困らず、ミャンマー市民が食料、薬品、必需品不足に苦しむことになると述べた。
東南アジア諸国連合の非公式外相会議がタイの主催でオンライン開催され、ミャンマー軍部に対し暴力を停止し、国民の意思を尊重するよう求めた。シンガポールのバラクリシュナン外相は「われわれは軍首脳をミャンマー政府とは認めていない」と言明した。