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経済

2021年2月19日

累進的賃金モデル、中所得層への適用を検討

 シンガポール全国労働組合会議(NTUC)は累進的賃金モデル(PWM)を適用する職種を増やす計画で、さらに低賃金の労働者だけでなく、中程度の賃金の労働者にも拡大適用することを検討している。今年の方針発表会見でン・チーメン書記長が表明した。
 
 PWMは清掃、警備、造園に携わる労働者を対象に、最低賃金を勧告し、労働者には研修受講を促し、技能向上、賃金アップを図るプログラム。
 
 NTUCはごみ管理、食事サービス、小売りの3部門で働く低賃金労働者(推定8万人)もPMWの対象にする考えだ。食事サービスではホーカーセンターなどで働く人を視野に入れている。
 
 中程度の賃金職では、害虫駆除、ストラータ管理、ソーラー技術もPWMに含めたい意向だ。ストラータ管理はコンドミニアムなど空間所有権の建物の共有施設を運用・管理する仕事。
 
 ソーラー関連技術は低賃金労働ではないが、人材が不足しており、PWMに含めることで国民にソーラー分野での就労を奨励する。職種は技術者、現場監督、システムエンジニアなどで、生産性、技能の向上に見合う賃金増が期待できるようにするという。
 
 ン氏はまた、フリーランスの労働者も組合活動の対象に含める意向を表明した。法改正が必要になるが、推定25万人がフリーランスとして働いており無視できない数だという。

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