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経済

2021年2月3日

差金決済取引が増加、昨年の取引は前年の数倍

 シンガポールにて、有価証券など資産の受け渡しを行わずに、売買価格差に相当する金銭の授受で差金決済する取引(CFD)が増加している。株価変動性が高いこと、情報入手が容易になったことが背景にある。
 
 CFDの原資産は株式、通貨、指数など。サクソ・マーケット証券のレイノルズ最高経営責任者(CEO、アジア太平洋担当)によると、CFD投資は過去2年間増加しており、特に20年のCFD取引は前年の3.4倍に上った。取引に参加する客も2倍以上になった。
 
 価格変動性の高さがCFDの取引増につながっているようだ。米国株を対象とした株価変動率指数のVIXは昨年3月、過去最高を更新した。
 
 CMCマーケットによれば、多くの投資家がCFDを所有資産に対する短期的ヘッジ手段として利用している。在宅勤務で時間に余裕ができたことも投資を促す結果になったと思われるという。
 
 レイノルズ氏は、投資に役立つ情報入手がツイッターなどソーシャルメディアの普及で容易になったことを指摘した。ソーシャルメディアに掲載される情報は興味深いものがあり、極端な意見もあるが、全体として有用だという。
 
 CFDを取引する投資家は40歳以上の男性が多いが、最近は35歳以下の若い世代の関心が高まっているという。

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