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政治

2021年2月1日

シンガポール:コロナワクチンの接種状況(2021年1月下旬)

シンガポール国内における感染者数

 シンガポール保健省(MOH)は、シンガポール国内における感染者数を次の通り公表している(1月28日現在)。詳細は保健省HPを参照のこと。
 
(1)新規感染者数34名、累計感染者数59,425名、
   累計退院者数59,148名、累計死亡事例29名、
   28日現在隔離者数248名(病院内40名(ICU 0名)、コミュニティ内隔離施設208名)。
 
(2)ドミトリー/専用居住施設(寄宿舎)滞在、建設現場等のワークパーミット所持外国人労働者感染者数0件。
 
(3)一般国内感染症例0件。
 
(4)輸入症例34件。輸入症例者のすべては、シンガポールに到着後のSHN実施中に感染確認。
 

ワクチン接種プログラムの最新情報

 1月28日、シンガポール保健省(MOH)は新型コロナウイルス・ワクチン接種プログラムの最新情報を次の通り公表した。詳細は保健省HPを参照のこと。
 
(1)新型コロナウイルスのワクチン接種プログラムは順調に進んでいます。2021年1月27日現在、113,000人以上の方がワクチンの初回接種を受けています。また50人以上の方が2回目の接種を受け、接種を完了しています。これらの数字は、今後数週間で大幅に増加することが予想されますが、安全に接種作業を進めていきます。

 

地域の高齢者への新型コロナウイルス・ワクチン接種の展開

(2)1月27日、70歳以上の高齢者を対象としたワクチンの先行接種が、高齢者の多いAng Mo Kio 及び Tanjong Pagar にて開始され、順調に進み、初日には250人以上の高齢者が接種を受けました。
 
(3)コミュニティの高齢者によるワクチン接種の申し込み状況は素晴らしいものとなっています。近日中に、高齢者の方に順次接種の予約のための案内状を送ることとしており、より多くの方の接種スケジュールが決まっていく見込みです。1月27日現在、Ang Mo Kio 及び Tanjong Pagarーの1万人以上の高齢者に案内状を送付し、3分の1以上の高齢者が案内状受領後、2日以内に予防接種の予約をしました。これらの地区の残りの高齢者は、来週に案内状を受け取る予定です。2月中旬から順次、シンガポール全土の高齢者に予防接種の案内状を送付し、安全に運営を拡大していく予定です。

 

利便性を高めるために、より多くの予防接種会場を提供

(4)高齢者が便利に予防接種を受けられるよう、今後数週間の間に、より多くの予防接種センターを設置し、皆が便利に予防接種を受けられるようにします。予防接種センターは、人口の多い地域や主要な公共交通機関のルート沿いに設置される予定です。合計で約40の予防接種センターが設置され、各予防接種センターでは1日あたり2,000回の接種が可能となる予定です。高齢者の予防接種開始をサポートするために、1月27日からTanjong Pagar Community Centreに新しい予防接種センターを設置し、2月1日からはTeck Ghee Community Centreでもセンターが稼働する予定です。
 
(5)ワクチン接種センターの他にも、ポリクリニックや特定の公衆衛生対応クリニック(PHPC)もワクチン接種場所として機能する予定です。現在、高齢者はすでに9つのポリクリニックと21のPHPCで予防接種を受けることができます。2021年2月1日には、シンガポール全土の20のポリクリニックでワクチンの接種が開始されます。高齢者の方は、ポリクリニックやPHPCの方がより身近かもしれません。これらの接種場所は車椅子でも利用できるようになります。移動に問題があり、直接接種場所に行くことが難しい高齢者に手を差し伸べるために、移動式ワクチン接種チームを設置してワクチンを届けることにしています。
 

ワクチン安全性のモニタリングと更新

(6)保健省(MOH)と保健科学庁(HSA)は、シンガポールで接種されているファイザー・ビオンテックワクチンの安全性プロファイルを注意深く監視しています。HSAは2021年1月27日現在、ファイザー・ビオンテックワクチンを接種した113,000人以上の人々から、432件の有害事象報告を受けています。これらの報告のほとんどは、注射部位の痛みや腫れ、発熱、頭痛、倦怠感、体の痛み、めまい、吐き気、アレルギー反応(かゆみ、発疹、目や唇の腫れなど)などの通常の症状に関するものです。これらの症状は一般的にすべての予防接種で起こる反応であり、殆どが数日以内に治まっています。
 
(7)アナフィラキシー(急性かつ重篤なアレルギー反応)の報告が3例ありましたが、医師によって迅速に治癒されました。これらの患者は20~30歳代で、発疹、息切れ、口唇の腫れ、気道閉塞、めまいなどの複数の症状を呈していました。3人ともアレルギー性鼻炎や甲殻類などの食物アレルギーの既往歴がありましたが,(ファイザー・ビオンテックの)ワクチン接種を避けるべき事由となるアナフィラキシーの既往歴はありませんでした。アナフィラキシーは適時に発見し、治療を受ければコントロールできます。シンガポールのすべてのワクチン接種者は綿密に監視されているため、これら3人は速やかに発見され治療を受けました。いずれも回復し、1日の経過観察や治療の後に退院しています。
 
(8)アナフィラキシーの発生率は現在、10万回接種あたり約2.7件(0.027%)です。海外での数百万回の接種の結果報告されている発生率は、10万回接種あたりの発生率は1~2件程度です。発生率のこのような差異は、これまでのシンガポールでの接種者数が比較的少ないことに起因すると考えられます。
 
(9)現在のところ、重度の新型コロナウイルスとその合併症の影響から身を守るためにワクチンを接種するメリットは、ワクチン接種に関連しているものとみられる潜在的な有害事象のリスクをはるかに上回っています。保健省とHSAは新型コロナウイルス・ワクチン専門委員会と協力して、ワクチンの安全性を綿密に監視し、シンガポールで使用されているワクチンが我々にとって安全であることを確認しながら、ワクチン接種プログラムを展開していきます。
 
(10)保健省(MOH)の医療サービス課長であるケネス・マック准教授は、「アナフィラキシーは、ファイザー・ビオンテック社のワクチンの副作用として知られていますが、まれなものです。すべてのワクチンと同様に、常にごく一部、ワクチン接種時に重度のアレルギー反応を起こす可能性のある人はいます。ワクチン接種前のスクリーニングや接種後の観察などの予防措置を講じ、安全にワクチン接種プログラムを実施できるようにしています。アナフィラキシーを起こした3例は、いずれも速やかに治療を受け、元気に過ごしています。シンガポールの医療スタッフは一般的に有害事象の報告率が高く、これは有害事象の報告に対する警戒心と迅速さを反映しています。私たちはワクチン接種が安全に実施されるよう、今後も彼らやパートナーと協力していきたいと思います。ワクチン接種は対象者にとって安全であることに変わりはなく、私はすべてのシンガポール人と長期滞在者に、自分の番が来たらワクチン接種を受けることを奨励します。」と述べました。
 

新型コロナウイルスのための新たなワクチン傷害財政支援プログラムについて

(11)これを必要とする人は少ないと思われますが、MOHは、シンガポールで投与されたワクチンに関連していると評価される重篤な副作用がまれに発生した場合に、罹患者に金銭的な援助を行う新型コロナウイルス・ワクチン傷害資金援助プログラム(VIFAP)を導入する予定です。このプログラムは、ワクチン接種を受ける人に大きな安心感を与えるものです。

 
(12)VIFAPは、以下の段階の財政支援を提供します。
  i.ワクチン接種の結果、重篤な副作用により集中治療室に入院し、回復した者に、最高10,000ドルまでの一時金が支給されます。
 ii.死亡または恒久的な重度の障害を負った個人には,225,000ドルの一時金が支給されます。
 
(13)ワクチン接種後に重篤な副作用が発生した場合は、メディシールドライフ(注:シンガポール国民、永住者の場合)や公的医療機関での助成金などの医療制度を利用して、継続的な支援を受けることができます。
 
(14) VIFAPの対象となるには、シンガポール市民、永住者、または長期パス保持者で、シンガポールでワクチン接種を受け、生命を脅かす可能性のある重篤なまたは致命的な副作用が発生し、入院を必要とするか、治療不可能な障害を受けた者でなければなりません。重篤な副作用は、ワクチン接種との関連性を医師が評価しなければなりません。
 
(15)重篤な副作用の重篤度は多岐にわたるため、治療を行う医師による評価は異なる可能性があり、保健省は神経学、免疫学、感染症などの関連分野の専門家で構成される独立した臨床パネルを任命し、VIFAP申請の評価と裁定を行います。
 

高いワクチン接種率で国民の保護を最大化

(16)ワクチン接種は、新型コロナウイルスから私たちと私たちの愛する人たちを守るために非常に重要です。ワクチン接種はまた、医学的な理由でワクチン接種を受けることができないコミュニティの人々を防護します。この集団的な防護は、より多くの人々がワクチンを接種すればするほど効果的になり、私たちが正常な状態に戻ることを可能にする重要な基盤となります。シンガポール人や長期滞在者は順番が回ってきたら、ワクチン接種を受けるように強く勧めます。
 
(17)ワクチン接種を進めていますが、ワクチン接種は特効薬ではないことを心に留めておかなければなりません。新型コロナウイルスの広がりを緩和し、地域の感染を低く抑えるための安全管理策を守り続けなければなりません。
 

航空会社各社の路線状況

 航空会社各社は、新型コロナウイルスの発生により、路線の減便等の措置を実施している。詳細は各社HPを参照のこと。
 
 ・日本航空HP
 ・全日空HP
 ・シンガポール航空・シルクエアーHP
 ・シンガポール・エアライングループにおけるチャンギ空港におけるトランジット対象地域
 

提供:在シンガポール日本大使館

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