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政治

2020年12月16日

シンガポールにおける新型コロナウイルスの発生状況(2020年12月)

 ※この情報は2020年12月15日に在シンガポール日本大使館から発信された内容です。
 

シンガポール国内における感染者数

 シンガポール保健省(MOH)は、シンガポール国内における感染者数を次の通り公表している。(14日現在)。詳細は保健省HPを参照のこと。
 
(1)新規感染者数5名、累計感染者数58,325名、
   累計退院者数57,985名、累計死亡事例28名、
   14日現在隔離者数86名(病院内22名(ICU 0名)、コミュニティ内隔離施設64名)。
 
(2)ドミトリー/専用居住施設(寄宿舎)滞在、建設現場等のワークパーミット所持外国人労働者感染者数0件。
 
(3)一般国内感染症例0件。
 
(4)輸入症例5件。輸入症例者のすべては、シンガポールに到着後のSHN実施中に感染確認。
 

フェーズ3移行にあたって

 14日、保健省は2020年12月28日から「フェーズ3」を開始する旨を次の通り公表した。
 
(1) さらなる活動再開を支える主要な成功の鍵について順調に進展しています。関係省庁タスクフォースは2020年12月28日から再開に向けた「フェーズ3」を開始します。このマイルストーンを超えても,今後数か月間は引き続き警戒する必要があります。感染の再拡大により私たちの進歩を遅らせたり,逆行させたりすることがあってはなりません。
 

フェーズ3に移行するための主要な成功の鍵

(2)関係省庁タスクフォースは,フェーズ3に移行するための3つの前提条件の概要を提示してきました。
 
 a)安全管理措置の遵守。これまで多くの企業や一般市民が安全管理措置に協力しており,これらの努力がコミュニティの感染を低く抑えることにつながっています。
 
 b) 感染者の早期検出と公衆衛生対策のための検査能力の確保。Polymerase Chain Reaction(PCR)検査能力を大幅に増強し,1日に50,000件を超える検査を実行できるようにしました。また,大規模でリスクの高いイベントに対する抗原迅速検査(ART)も導入しました。
 
 c) 迅速かつ効果的な接触者追跡のための「TraceTogether」の普及。12月13日の時点で,シンガポールの居住者の約65%が「TraceTogether」プログラムに参加しており,年末までに約70%の目標達成を目指しています。
 

コミュニティでの更なる活動の再開

(3)これらの前提条件が整っていると判断し,関係省庁タスクフォースは以下のとおり,2020年12月28日からコミュニティでの活動の更なる再開を許可することとします。
 
 a)ソーシャルな集まりの許容人数は,現在の5人から8人までに引き上げられます。また,家庭では,8人までの訪問者を受け入れることができることとします。感染拡大のリスクを減らすために,今後も定期的に接触するグループは少人数に抑える必要があります。
 
 b)施設の収容制限を徐々に拡大していきます。モールや大規模な独立型店舗の場合,収容制限を1人あたり10平方メートルから8平方メートルに引き上げます。集客施設についても,収容制限をキャパシティの50%から最大65%に引き上げることができることとし,シンガポール観光局(STB)にその申請を開始することができます。人気のある場所における混雑を防ぐための対策は継続して実施する必要があります。
 
 c)宗教団体(ROs)は,2020年10月3日以降,試行措置として集会およびその他の礼拝の参加者を最大250人まで増員し,集会や礼拝のための生演奏を許可しています。本試行措置の結果,ゾーン間を確実かつ明確に分けること,最大5人のグループ間の交流を最小限に抑えることなど,ROsが安全な管理措置を実施できたことが示されました。このためすべてのROsが,集会や礼拝の収容人数を最大250人に増やすことを許可することとします(各々最大50人までのゾーンに分けること)。集会や礼拝,礼拝所で行われる宗教的な儀式/祈祷では,必要な安全管理措置を講じた上で,生演奏(一定数以下の歌手,管楽器,その他の楽器)を行うことが出来ます。
 
 d)自宅で行われる婚姻の祭礼については,現在,合計10名(主催世帯のメンバーを含み,祭司と業者を除く)が許可されています。フェーズ3では,主催世帯は,最大
8人の訪問者(主催世帯メンバー,祭司,業者を除く)を招待できることとします(全員で10人という既存の上限を超えることが可能となります)。
 
 e)結婚式(屋内会場のみ),葬儀,葬儀関連の行事は,必要な安全管理措置を講じたうえで,楽器の生演奏(管楽器を除く)を行うことが許可されるようになります。
 
 f)芸術・文化分野では生演奏が11月1日より再開を認められています。一部会場では,最大250人の大規模公演や最大100人の屋外公演を試験的に実施しています。今後は,50人までのゾーンから成る最大250人までの屋内公演を可能とします。また,屋外公演についても,試験的措置により最大50人のゾーンから成る250人までの公演を実施し,運営者がより大きな屋外公演を安全に管理し,人の集まりや周辺の混雑を防止できることを確認していきます。
 
(4)また,屋外でのライブパフォーマンスや生演奏,カラオケ,ナイトライフなどリスクの高い活動や環境における試行措置を継続して実施し,これらの活動がどのように行われ,安全にスケールアップできるかを評価します。
 
(5)国内での新型コロナウイルスの感染状況が安定し,より多くの方策を導入することができれば,関係省庁タスクフォースは「フェーズ3」の過程で活動のさらなる再開を許可することを検討します。
 
(6)「SafeEntry」チェックインに「TraceTogether」アプリまたはトークンが必要な「TraceTogether only SafeEntry」は,トークンを必要とするすべての人がコミュニティクラブまたはセンターでトークンを入手する機会を得た後,来年初めに導入される予定です。「TraceTogether only SafeEntry」の導入まで,訪問者は「TraceTogether」アプリ,「SingPass Mobile」,またはQRコード読みとりアプリを使用し「SafeEntry」チェックインするか,「NRIC」,「Pioneer」,「Merdeka Generation」の各カードなどのバーコード付きのIDカードを使用しチェックインを行うことができます。
 

外国人労働者の安全を守る

(7)「フェーズ3」に移行するにあたり,外国人労働者の寄宿舎(ドミトリー)での新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための取り組みを検証し,労働者の身体的,精神的な安全を維持するための方策を検討しています。外国人労働者によるシンガポールへの貢献は計り知れません。彼らが健康で,家族のもとに安全に帰国できるようにするのは私たちの責任です。
 
(8)過去数か月間,政府は複数の関係者と緊密に連携し,労働者のケアに取り組んできました。社会全体の努力と,包括的な検査・隔離戦略により,寄宿舎での感染を抑制してきました。寄宿舎居住の労働者の罹患率と死亡率は非常に低く抑えられていましたが,残念ながら,このグループでも新型コロナウイルスによる死亡が2件ありました。
 
(9) 2020年8月までに,寄宿舎に居住する全ての外国人労働者が新型コロナウイルス検査を少なくとも1回受け,ほぼ全員が安全に職場に復帰することが許可されました。新たな感染を検出し封じ込めるための措置の中で,感染の影響を受けやすい全労働者に対して,引き続き定期検査(Rostered Routine Testing(RRT))を実施していきます。
 
(10)また,2021年第1四半期にいくつかの寄宿舎で試験的計画を開始し,RRTの遵守,接触追跡トークンの着用,安全な生活が確保されていることを条件として,労働者が月に1回コミュニティに外出できるようにします。
 

ワクチンへのアクセスの確保

(11)予防接種は,新型コロナウイルスから私たちと私たちの愛する人を守り,経済を再開し,より多くの社会活動を再開できるようにするための重要な要素の1つです。また,私たち全員が安全かつ迅速に正常な生活に戻ることを可能にします。
 
(12)鍵となるのはワクチンの安全性と有効性です。政府はワクチンの安全性を評価し,WHOのガイドラインや,安全性と有効性に関する国際基準に準拠していることを確認するための厳格な手続を導入しています。健康科学庁(Health SciencesAuthority(HSA))は,ワクチンの安全性と有効性が規制を満たすことを確認するため,あらゆる科学的および臨床的データを詳細に検証し,世界中の関連規制当局と絶えず協議しています。「COVID-19ワクチン接種に関する専門家委員会」は,国家と国民の健康にとってベストな結果となるようにするためには,確保したワクチン(ポートフォリオ)をどのように国内のグループに展開していくのが良いかについて検証しています。
 
(13)安全で効果的なワクチンへの早期のアクセスを確保するために,2020年5月には,有望なワクチン候補を保有する製薬会社と政府の協議が開始されました。モデルナ,ファイザー・ビオンテック,シノバックと事前購入契約を締結し,他のいくつかの製薬会社とも協議中です。HSAはその後,十分な科学的・臨床的データを入手し,エビデンスを評価し,ファイザー・ビオンテックのワクチンを承認しました。ファイザーはワクチンの最初の入荷分が今月末頃までにシンガポールに到着予定であるとしています。3社からの後続分は来年到着します。
 
(14)加えて,各国がリスクとリソースを分担し,さまざまなワクチン開発者からのワクチン(ポートフォリオ)への公平なアクセスを促進することを可能にする「The
global COVID-19 Vaccine Global Access(COVAX)」 ファシリティの強力な支援者であり積極的な参加者です。 シンガポールは,COVAXファシリティとコミットメント・アグリーメントを締結し,一定量のワクチンを購入する権利を確保しています。これは,我が国によるワクチン(ポートフォリオ)へのアクセスを確保すると同時に,世界中のすべての人が,安全で効果的なワクチンに,手頃な価格で公正かつ公平にアクセスできるよう促進していくという戦略の一環です。
 
(15)ワクチン出荷に不測の事態がなければ,すべてのシンガポール人とシンガポールの長期居住者(long-term residents)が,2021年末までに予防接種を受けることができるよう計画しています。ワクチン接種は任意としますが,ワクチンが提供された際には,全ての方にワクチン接種を受けることを強くお勧めします。ワクチンへのアクセスを確保し,より高い予防接種率を達成できるようにするために,この予防接種は無料になります(シンガポール人と長期居住者。長期居住者は長期のワークパーミット保持者を含む)。
 
(16)ワクチンの当初の供給は世界的に限りがあると見込まれ,生産量の増大に合わせて,数か月かけてシンガポールに一定量ごとに到着する予定です。したがって,リスクが高く予防接種の必要性の高いグループとなる医療従事者や新型コロナウイルス対策の最前線で働く人々,年齢や健康面でリスクの高い者などを優先しつつ,全住民(妊婦や16歳未満の子どもについては,安全性・有効性についてさらなる確認ができるまでは対象外)に接種を拡大していきます。これはWHOの勧告に沿ったものです。専門家委員会はワクチンについて一連の勧告を発出しており,政府はそれらを取り入れています。今後より多くの科学的・臨床的データが明らかになるのに合わせ,専門家委員会によりシンガポールのワクチン戦略全体に関する詳細なアドバイスと,各ワクチンに関する具体的な勧告を,今後数週間のうちに公表される予定です。
 

さらなる再開に向けて

(17)包括的な予防接種の実施により,さらなる活動の再開が可能となり,パンデミックからの回復が促進されますが,予防接種は特効薬ではありません。予防接種を受けた人は病気から守られますが,ウイルスは根絶されず,予防接種を受けた人がウイルスを拡散させたり,まだ予防接種を受けていない人に感染させたりする可能性は残っています。このため,シンガポールや世界の国々が以前の状態に戻るまでにはしばらく時間がかかると思われます。
 
(18)特に多くの方が家族や友人と会いたいと考える今度の祝祭日の期間中,警戒を緩めてはなりません。この1年間に培ってきた取組を維持しなければなりません。安全管理対策,検査,接触者追跡といった既存の主要な取組は,拡散拡大を緩和し,コミュニティの感染を抑えるために引き続き必要であり,効果のある取組です。私たちはシンガポールを安全に保ち続けるために,今後も検査を継続し,違反に対して,躊躇なく厳格な執行措置を講じていきます。
 
(19)私たちは,新型コロナウイルスとの闘いにおいて引き続き団結し,規律を維持し続けるために,シンガポールの全ての人々の協力を求めます。私たち全員が協力すれば,より安全で健康的な2021年を迎えることが出来ます。

航空会社各社の路線状況

 航空会社各社は、新型コロナウイルスの発生により、路線の減便等の措置を実施している。詳細は各社HPを参照のこと。
 
 ・日本航空HP
 ・全日空HP
 ・シンガポール航空・シルクエアーHP ※11月より福岡便を運行再開
 ・シンガポール・エアライングループにおけるチャンギ空港におけるトランジット対象地域
 

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