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経済

2020年11月16日

経営難の海運会社、国営テマセクが救済へ

 シンガポールの国営投資会社テマセク・ホールディングス子会社のヘリコニア・キャピタル・マネジメントは、負債を抱え経営難にある海運会社パシフィック・インターナショナル・ラインズ(PIL)の救済に乗り出す。
 
 PILは世界10位のコンテナ海運会社。ヘリコニアは既にPILに資金を融通している者との交渉を終えている。PILの負債総額は推定35億米ドル(約3,661億円)。
 
 ヘリコニアは総額6億米ドル(約628億円)をヘリコニアに注入する。うち1億1,200万米ドル(約117億円)はPILが取引相手に支払う分として貸し付ける。残りは債券など有価証券の購入を通じ注入する。
PILは1967年の設立で、創業者は世界最高齢の億万長者として知られる中国人実業家のチャン・ユンチュン氏。
 
 PILは、海運業界の過剰設備投資による輸送能力過剰、運賃の下落、船舶燃料の値上がりで利ザヤが縮小し、新型コロナウイルスの感染拡大(パンデミック)による貿易不振が追い打ちをかけた。
 
 債権者が債務返済計画に同意すれば、PILは来年第1四半期中にリストラを終える。ヘリコニアはPILをパンデミック中の食品輸送に利用する意向だ。

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