2020年10月26日
ゴールドマンがシンガポール政府に1億ドルの制裁金支払い
マレーシアの国営投資ファンド、1MDBをめぐる巨額汚職事件で、米ゴールドマン・サックスのシンガポール法人は1億2,200万米ドルの制裁金をシンガポール政府に支払うことに同意した。ゴールドマンは米国、英国、香港の司法・証券当局にも制裁金を支払うことに同意しており、制裁金は合計で29億米ドルになる。
ゴールドマンは先に、刑事訴追を免れる見返りにマレーシアに39億米ドルの制裁金を支払うことでも合意している。
1MDBを設立したのはナジブ・ラザク元首相。インフラ整備の会社という建前だったが、資金横領、汚職、資金洗浄の道具に使われた。ナジブ被告は裁判が進行中だ。
米司法省によれば、ゴールドマンは1MDB関連の業務を受注するためマレーシアおよびアブダビの政府高官を買収した。
ゴールドマンは2012年から13年にかけ1MDB子会社の起債(計65億米ドル)を引き受け、6億米ドルの手数料を得た。起債で得た資金が豪華ヨットや高級住宅購入、ハリウッド映画製作など個人利用された。流用額は推定45億米ドル。
今回の制裁金支払いでゴールドマンは刑事責任を免れる。社員へのメッセージでデービッド・ソロモン会長は「これらの事件に終止符を打つことができたことを喜んでいる」と伝えた。