2020年10月21日
ニューヨーク直行便を11月に就航、赤字覚悟の戦略
シンガポール航空(SIA)は11月9日、ニューヨークへ直行便を乗り入れる。航空需要の回復を楽観できる兆候が見られるためだという。旅客と貨物を輸送する。
米国の都市への直行便の乗り入れはロサンゼルスに次いで2カ所目。チャンギ空港経由の乗り継ぎ客が増加しているため就航を決めたという。
米北東部とシンガポールを直接結ぶ貨物便は現在ない。SIAは20日の声明で、薬品会社、電子商取引会社などニューヨーク都市圏に拠点を置く企業からの貨物輸送需要が見込めるとした。長距離航空に適したエアバスのA350-900型機を採用する。
航空アナリスト、ソビー・アビエーションのブレンダン・ソビー氏は「高額貨物、上客を念頭に置いた戦略的動き」と指摘。乗客搭乗率はロサンゼルス便同様、20%を超えることはないと思われ、黒字路線にするのは困難と述べた。
SIAはウイルス禍発生前、160都市に乗り入れていたが、現在はわずか49都市。しかし政府はチャンギ空港の立て直しを図っており、香港との間では入国後の待機なしでの一般旅行客の往来を認めることで合意している。