企業支援を延長・強化、ウイルス後を見据えた転換を奨励

　シンガポール政府は経済・社会活動の制限で苦境にある企業への支援を延長し、一部については強化する。生産性の引き上げ、海外進出・海外業務拡大、転換を目指す企業を支援するためで、チャン・チュンシン通産相は「今の困難を乗り切るだけでなく、新たな現実に適応するのを支援する」と強調した。
 
　海外進出を目指す企業には11月1日から来年9月末まで、必要経費の80％（現行70％）を助成する。仮想見本市への参加費用も必要経費に含める。業態転換、デジタル化を推進する企業に対する補助金を必要経費の最大80％とし、来年9月末まで9カ月間、延長する。
 
　来年1月から、建設会社は国内事業遂行を目的とした融資を申請でき、少なくとも50％のリスクを政府が負う。
 
　運転資本融資である暫定的つなぎ融資プログラムも来年9月まで6カ月延長するが、4月1日以降は政府のリスク分担を70％（現行90％）にする。
 
　チャン氏は人工ダイヤモンドを開発し、若い世代に人気の宝飾品を生産しているSKジュエリーを訪問した際の会見で、小売業について「旧来のやり方に固執している事業体の生き残りは難しい」と語った。