2020年10月5日
北西部リムチューカンを「食糧庫」に、農産物生産量3倍めざす
シンガポール食品庁(SFA)は、国内で唯一農地がある北西部のリムチューカンを「食糧地帯」として再開発する方針を固めた。基本計画を策定し、390ヘクタールある土地を、ハイテクを活用した、生産性の高い農業・食料生産地に転換する。
農家に賃貸している農地面積は1区画平均2ヘクタール。野菜の年産量は1ヘクタール当たり130トンだが、SFAによればハイテクを駆使すれば1,000トンの生産も可能だという。
リムチューカン全体で食料生産を現在の3倍以上にする計画で、農業者ら関係者から意見を聞き、2~3年かけ基本計画をまとめ、2024年から再開発に着手する。
国土面積に占める農地の割合は約1%で、食料自給率は10%以下。基本計画の柱は、「高収量、持続可能性、未来を先取りする農場」で、設備の共有など資源を有効利用し、無駄を省き、循環経済を実現する。動物の排泄物を利用したバイオガスによる発電が一例。
これとは別に、セントーサ島のシロソ・ビーチ・リゾートでは廃棄食品の堆肥化が行われている。ミミズを使った堆肥生産で、毎月600キロ出る果物、野菜ごみが餌。
シンガポールで昨年発生した食品ごみは74万4,000トンで、すべての住民が毎日、茶わん2杯分の食品を投棄したのと同じになる。