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政治

2020年9月30日

国民皆保険のメディシールド・ライフ、改定で保険料引き上げ

 シンガポール保健省は国民に加入を義務付けている健康保険「メディシールド・ライフ」を改定すると発表した。保険金請求額の上限を年10万Sドル(約770万円)から15万Sドル(約1,155万円)に引き上げるが、保険料も最大35%引き上げる。保険料が多い世帯の年間納付額は500Sドル(約3万8,000円)余り増える見通しだ。
 
 しかし新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞、世帯収入減、失職などを考慮し、改定して最初の2年間は保険料を割り引く。高齢者世帯、低所得世帯の割引率が最も大きい。
 
 改定で保険金額が増加するのは、公営病院における入院治療では、◇一般病棟・集中治療室の入院・治療費◇精神科治療◇放射線外科。地域病院では、亜急性期医療(病状が不安定で回復期にある患者に対する医療)。
 
 外来医療では、人工透析と、臓器移植の際の免疫抑制治療。このほか、ガンに対する放射線療法も保険金額が増える。
 
 年齢80歳以上の患者が日帰り手術を受ける際の保険不適用料金を3,000Sドル(約23万円)から2,000Sドル(約15万4,000円)に引き下げる。
 
 一方、民間病院に入院し治療を受けた場合の保険金請求の割合は、上限を料金の35%から25%へ下げる。
 
 将来的に、自殺未遂、自傷行為、薬物乱用、アルコール中毒の治療も保険対象とする計画だ。政府は関係者から意見を聞いたうえで来年第1四半期にも改定計画を実施する。

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