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経済

2020年9月8日

ゴム手生産への参入相次ぐ、年産200億枚追加

 新型コロナウイルス流行に伴う医療用ゴム手袋の需要増を受け、異業種からの新規参入が相次いでいる。JFアペックス証券のアナリストによると、新たに生産事業への参入を表明した企業の投資により、年産能力は200億枚追加される見通し。ただ、来年上半期には需要が減退し、競争力に乏しい新参企業が利益を出すのは難しいとみられるという。9月4日付マレーシアン・リザーブなどが伝えた。
 新型コロナの流行後、国内では不動産開発や情報技術(IT)、パーム油生産など幅広い業種からゴム手袋生産への参入が相次いでいる。ここ2ヵ月で新規参入を表明した国内上場企業の投資額は、合計で9億リンギ(約230億円)。70本の生産ラインが設けられることになる。
 
 ただ、同アナリストは、今後の業況を楽観視できないと指摘。ワクチン開発が進み、新型コロナの流行が終息に向かうことで、来年上半期にはゴム手袋の需要が衰えるとの見方を示した。新参企業にのしかかる初期投資のコストは重く、大手に生産効率でかなわないことから、大きな利益を見込めないとしている。
 
 マラッカ証券のアナリストは、今からの参入では遅すぎると指摘。工場の立ち上げには半年以上を要するため、収益化に時間がかかると述べた。また、他のアナリストからも、生産ノウハウや販売ネットワークを持たない新参組は大手との競争で苦戦を強いられるとの見方が出ている。
 
 マレーシアゴム手袋製造業者協会(MARGMA)の7月時点の予測によると、国内の2020年のゴム手袋生産量は前年比20%増の2,200億枚に拡大する見通し。ほぼ全量が輸出される。

(提供:亜州ビジネスASEAN

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