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政治

2020年9月7日

鉄道とバス料金、今年はウイルス禍を考慮し据え置き

 シンガポール公共輸送審議会(PTC)は11日、今年の鉄道とバスの料金について、据え置きを勧告すると発表した。MRT(地下鉄・高架鉄道)と公共バスの運営会社は赤字に転落したが、コロナウイルス禍(パンデミック)による景気悪化を考慮した。
 
 通常時であれば今年は最大4.4%の値上げが認められるはずだった。PTCはこの値上げ許容分を来年に繰り延べる。しかし来年の値上げ勧告に際し、来年の許容分に今年の分(4.4%)をそのまま加えたのでは大幅引き上げとなるため、景気動向を考慮し、値上げ勧告の幅を抑えるという。
 
 政府は今年の料金据え置き勧告を受け入れた。昨年は7%と、現在の料金改定の枠組みで許容される最大幅の値上げが行われた。
 
 鉄道・バス運営業者のSMRTトレインズとSBSトランジットとも昨年度は1,000万Sドル(約7億7,800万円)超の赤字で、4.4%の値上げを申請していた。オン・イエコン運輸相によれば、7月の時点でバスは356の全路線で赤字運営だ。
 
 赤字の理由は利用者の激減で、4月から6月1日までの「サーキットブレーカー」中の利用者は75%減少した。しかし鉄道、バスとも運行本数は以前通りだった。清掃、消毒費用もかさんだ。現在の利用客数はウイルス禍発生前の60%。鉄道、バス資産は政府が所有し、運営を同2社に委託している。

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