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金融

2020年9月4日

中銀が与信枠を導入、銀行に流動性を提供

 シンガポール金融管理庁(MAS=中央銀行)は9月3日、銀行、金融会社にシンガポール(S)ドルを融通する信用供与枠を今月末に設定すると発表した。銀行、金融会社が資金流動性不足に陥ることのないよう、事態が深刻化する前に資金を提供する。
 
 MASは声明で、シンガポールの銀行、金融会社は流動性の余力があるが、資金をMASから調達できるという安心感を与えるため、与信枠を導入すると説明した。ウイルス禍を理由とする社会・経済活動の制限で企業は生き残りに苦闘しており、銀行、金融会社は融資先の倒産に備えている。
 
 融資の期間は1カ月か3カ月で、MASはSドルまたは主要通貨建ての、市場性のある証券を担保として受け入れる。
 
 シンガポール法人で、国内金融システム上、重要とみされている銀行は住宅ローンを担保として差し出すことができる。
 
 MASはウイルス禍発生後、米ドルを融通する与信枠と、政府機関のエンタープライズ・シンガポール(ESG)の計画に基づくSドル融通計画を既に導入しており、米ドル入手では米連邦準備制度理事会(FRB)から米ドル(最大600億米ドル)の融通を受けるスワップ協定を交わしている。

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