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経済

2020年8月13日

垂直農業向け品種のR&D企業、テマセクとバイエルが設立

 シンガポールの国営投資会社テマセク・ホールディングスと製薬の独バイエルは新会社アンフォールドを設け、米国に登記したと発表した。資本金3,000万米ドルの会社で、対等出資。バイエルが持つ遺伝資源を活用し、垂直農業を行う野菜工場向けに、複層式水耕栽培や人工照明に適した野菜品種の開発・販売に携わる。
 
 バイエルは2018年に、遺伝資源に強い穀物メジャーのモンサントを買収しており、買収資金調達にはテマセクが応じていた。
 
 アンフォールドはレタス、ほうれん草、トマト、コショウ、胡瓜の種子に関する遺伝資源をバイエルから取得する。後に5品目を加えるオプションも取得した。遺伝子組み換え種子は含めない。
 
 新型コロナウイルスの感染拡大(パンデミック)で国境が封鎖された結果、世界的な食料流通のもろさが浮き彫りなり、大都市は食料安全保障の改善に躍起になっている。
 
 シンガポールは工業化を進めたため農地が急減したが、食料の国内生産の重要性を近年改めて認識しており、2030年をめどに食料自給率を30%まで高める計画で、ハイテク農業、水産養殖を奨励している。
 
 アンフォールドは本部をカリフォルニア州デービスに置き、シンガポールでも業務を行う。

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