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政治

2020年8月4日

全国賃金審議会、再度会合を開催し指針を発表へ

 官民両セクターの賃金指針の策定に当たるシンガポール全国賃金審議会(NWC)が今年、2回目の会合を開く。ジョセフィーヌ・テオ人材開発相が3日、フェイスブックで明らかにした。NWC会合は通常、5月末の年1回開催だが、経済危機が発生した2009年などに2回開催されたことがある。
 
 NWCは政労使3者の代表で構成されている。今年は新型コロナウイルス禍の発生を理由に3月末に会合を持ち、来年6月末までの指針を発表していた。
 
 しかし失業者、解雇の急増など第2四半期の雇用情勢は悪化しており、全国労働組合会議(NTUC)のン・チーメン書記長はナショナルデーに向けたメッセージで、今後さらに賃金カット、解雇が発生する可能性が高く、困難な日々になるとの見通しを示した。
 
 NWCは先に発表した指針で、解雇は最後の手段とするよう経営者側に勧告していた。テオ人材相によると、4月以降、賃金カットを人材省に報告した企業は3,600社で、通常であれば解雇されたはずの15万人の雇用が維持されたという。しかし企業活動は引き続き低迷する見通しで、解雇圧力はますます強まるため、賃金、雇用に対するNWCとしての立場を改めて協議する必要が生じているという。
 
 航空機エンジン製造のプラット・アンド・ホイットニーは3日、民間航空需要の回復が見込めないとして、シンガポール従業員のうち400人を解雇した。

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