シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP国営テマセク3月期の株主総利回り、マイナスに

経済

2020年7月22日

国営テマセク3月期の株主総利回り、マイナスに

 国営投資会社テマセク・ホールディングスは21日、3月期決算の株主総利回り(TSR、速報値)はマイナス2.3%だったと発表した。マイナスのTSRは2016年以来。昨年3月期のTSRは1.49%だった。
 
 TSRは投資収益(配当とキャピタルゲイン)を投資額で割った比率で、投資の利益率を示す。テマセクは今月、監査済み決算を発表する予定だったが、新型コロナウイルス禍が原因で出資している企業の決算発表が遅れたため、9月に延期した。今回は未監査の決算に基づく発表だ。
 
 テマセクは外貨準備を運用しており、株式非公開企業のため決算発表義務はないが、大まかな数字を自主的に公表している。
 
 3月末時点の運用残高は3,060億Sドル(23兆6千億円)で、1年前より2.2%減少した。ウイルス感染拡大(パンデミック)前の19年4~9月の運用成績は良好だったが、20年1~3月の株価急落が業績に影響した。
 
 3月までの1年間のMSCIシンガポール指数は18.3%、MSCI・ACアジア(日本を除く)指数は9%、MSCI世界指数は5.8%、それぞれ下落しており、これと比較してテマセクの保有資産は強靭さを持っていることが示されたという。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP国営テマセク3月期の株主総利回り、マイナスに