2020年7月17日
上半期の金融サービス業の生産が5%増加、下半期も増加予想
シンガポール金融管理庁(MAS)の年次報告によると、コロナウイルス騒動で経済が停滞する中、金融サービス業の上半期の生産高は前年同期比5%増と気を吐いた。
発表会見でラビ・メノン総裁は、下半期の生産は減速するが、減少する可能性は低いとの見通しを示した。上半期では特に第1四半期に、オフショア市場融資、再保険、生命保険業の活動が盛んで、生産高が増加したという。
雇用面(フィンテック業を含む)は安定しており、解雇の増加はみられなかった。それでも下半期は雇用の純減が予想されるという。
MASの3月期決算の収入は172憶Sドル(約1兆3千億円)で、Sドルに対する米ドル、ユーロ、円高による為替差益が多くを占めた。株式市況の低迷で投資収入は減少した。経費は44億Sドル(約3千億円)。国庫への拠出(22億Sドル/約1千6百億円)を引いた後の純利益は106億Sドル(約8千億円)だった。
MASの指導で銀行は、中小企業や個人への融資について12月末まで返済猶予を与えているが、それ以降、借り手は返済を再開しなければならない。しかし一気に猶予を完全停止すると債務不履行に陥る企業、個人も出る可能性があるため、ソフトランディングが必要とMASは考えており、銀行と協議を開始したという。