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経済

2020年7月14日

政府系企業が人工呼吸器を生産へ、国立大は検体採取器具を開発

 ウイルスの感染拡大で世界的に人工呼吸器の需要が高まる中、国営投資会社テマセク・ホールディングスが100%出資する医療機器製造のアドバンスト・メドテックは13日、健康科学庁から人工呼吸器(商品名アルファ)の製造許可を得た。
 
 世界初の遠隔操作可能な人工呼吸器で、エーベル・アン最高経営責任者(CEO)は、米食品医薬品局(FDA)の承認取得に自信を示した。手動操作だけでなく、インターネットを利用した操作、調整が可能で、専門医師が1カ所から複数の呼吸器を操作できるという。重量は4キロ弱で携帯可能。充電により3時間の使用が可能のため、救急車でアルファを患者に取り付け、そのまま病院で使用することができる。低価格での売り出しを予定している。
 
 ウイルス感染検査では、シンガポール国立大学(NUS)の研究チームが鼻咽頭から検体を採取するための鼻咽頭スワブ(綿棒)の新たな生産手法を開発した。これまでスワブは輸入に依存してきたが、国内生産に転じ、輸出も目指す。
 
 3次元プリンターを利用し生産する方法と、射出成型技術を用いた生産方法で、チームリーダーのフレディー・ブイ副学長によると、射出成型によるスワブ生産は世界初。3次元プリンター方式での生産は近く開始する。射出成型方式のスワブは国立大学病院で臨床試験中だ。

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