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政治

2020年7月13日

与党は絶対多数を維持も得票率が低下、労働者党が躍進

 総選挙の投開票が10日行われ、争われた93議席のうち与党・人民行動党(PAP)は改選前と同じ83議席を確保し、憲法改正に必要な3分の2を維持したが、得票率は61.2%と2015年の前回総選挙時の69.9%を下回った。
 
 リー・シェンロン首相はコロナウイルス禍が起こっている中での、独立以来最も重要な選挙だとして国民の危機感に訴え、一方、主要野党の労働者党(WP)はPAPへの「白紙委任」を回避するよう訴えるという対立軸だった。
 
 WPはアルジュニード・グループ選挙区(GRC、5議席)を維持。一人区ではホーガン選挙区の議席を維持した。さらに新たに設けられたセンカンGRCにおいて52.13%の得票率でPAPに競り勝ち4議席を得た。改選前の6議席から4議席を上積みした。プリタム・シン書記長が野党幹事になる。
 
 センカンGRCでPAPから立候補し落選したのは、ン・チーメン首相府相、ラム・ピンミン閣外上級相、アムリン・アミン上級政務次官らのチーム。
 
 翌朝4時半に開いた記者会見でリー首相は、「国民から信任を得た」としたものの「得票率は期待以下だった。国会において多様な意見を望む声が、特に若い世代にあることを選挙結果は示した」と語った。
 
 シンガポールは4~5人の候補者がチームを組み立候補するGRCと、一人区を組み合わせた選挙制度を採用しており、GRCでは多数を得た党が議席を全て得る仕組み。

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