2020年6月29日
5月の工業生産は7%減、バイオ医学生産が低調
シンガポールの5月の製造業の生産高は前年同月比7.4%の減少だった。2カ月続いた増加から一転、エコノミストの予想を裏切る減少で、野村証券国際部門のエコノミスト、パラシュールズ氏は、6月の製造業生産はさらに急減することが確実で、第2四半期の国内総生産(GDP)は大幅に縮小するとの予想を示した。
バイオ医学部門の生産が5.9%増と前月の101%増から大幅に減速した。経済活動を制限する「サーキットブレーカー」などの影響で医療機器生産が20%減少した。薬品生産は15%増だった。バイオ医学を除いた製造業生産は10.4%の減少になる。
電子部門の生産は1%減だった。半導体生産は5G関連やクラウドサービス需要を背景に1.6%増加した。
最大の減少幅だったのは運輸工学部門の40.7%。印刷・雑貨などその他製造部門も26.9%の大幅減だった。大華銀行(UOB)のエコノミストは、5月いっぱい続いたサーキットブレーカーが主因だとした。
精密工学部門の生産は5.3%減だった。需要減と操業面の支障が響いた。化学部門生産は13.5%の減少だった。