隣国の保険GEH、アシアタのデジタル金融事業に出資

　シンガポールの金融大手OCBCバンク傘下の保険会社グレート・イースタン・ホールディングス（GEH）は6月25日、通信大手アシアタ・グループ傘下のデジタル金融事業に7,000万米（約75億円）ドル出資し、権益21.9％を取得すると発表した。マレーシアのフィンテック業界で最大の外国投資になる。アシアタの同事業は、東南アジアの銀行口座や保険を持たない層を主要ターゲットに拡大を図っており、グレートは提携を通じて新規顧客の開拓を進める。
 
　アシアタが新たに設立する持ち株会社ブースト・ホールディングスの株式を取得する。残り78.1％はアシアタ傘下のアシアタ・デジタル・サービシズ（ADS）が持つ。数ヵ月以内に手続きが終わる見通し。
 
　ブーストが傘下に置くデジタル金融事業には、電子財布や小口金融、バングラデシュの銀行との合弁事業などが含まれる。電子財布事業は3月時点でマレーシア国内に750万人の利用者、17万の加盟店を抱え、国内発のサービスでは最大規模という。ほかにインドネシアにも54万の加盟店を持つ。
 
　ADSは昨年5月、三井物産との資本業務提携を発表。最大5,000万米ドル（約54億円）の出資を受けることが決まっている。

（提供：亜州ビジネスASEAN）