2020年6月23日
鉄道網拡大計画に遅れ、労働者確保難で
鉄道網拡大計画に遅れが生じる見通しだ。新型コロナウイルスCovid-19禍の影響で建設労働者の確保に支障が生じているためだ。MRT(地下鉄・高架鉄道)ビシャン車庫で行われた初代車両の就役解除式でコー・ブンワン運輸相が明らかにした。
現在のMRT線路は延べ230キロ。陸運庁(LTA)は2030年までに同360キロにする計画だったが、これを30年代前半に変更する。
30年までに完工予定だったのは、トムソン・東海岸線(TEL)の最終工区、ジュロン地域線、クロス・アイランド線第1期。サークル線、ダウンタウン線、東北線の駅舎追加も予定されていた。
ウイルス禍を理由とした行動制限でMRTを含む公共輸送機関の利用者は急減したが、現在はウイルス感染拡大前の40%程度に回復している。
コー氏は鉄道網拡大とともに信頼性も重視していることを強調した。5分以上の故障事故から次の故障事故までの運行距離は140万キロ(昨年4月から今年3月までの実績)で、世界でもトップクラスの信頼性。最も信頼性が高いのは東西線。
ビシャン基地における式典は川崎重工業が納入した車両の退役のためで、30年余りの期間、南北線と東西線で使用されてきた。全66両で、来年から順次、ボンバルディアの車両と交代する。