経済競争力ランキング、シンガポールは1位を維持

　スイスの有力ビジネススクールIMDがまとめた世界競争力ランキングでシンガポールは昨年に続き1位だった。経済競争力を年々減じている日本は34位と過去最低を更新した。
 
　調査対象は63カ国・地域で、各国政府や世界銀行の統計と経営者へのアンケート調査を基に算出した。「経済状態」「政府の効率性」「事業効率」「インフラ整備」の4項目を評価した。
 
　2位以下は、デンマーク、スイス、オランダ、香港、スウェーデン、ノルウェー、カナダ、アラブ首長国連邦、米国。
 
　中国への抗議デモが続き、一国二制度が揺らぎつつある香港は順位を3つ下げた。台湾は16位から11位に順位を上げたが、ほかのアジア諸国は順位を下げた。通商問題を抱える米国と中国も順位を下げた。米国は3位から10位に、中国は14位から20位に後退した。
 
　今年は経済規模の小さい国が強さを示した。IMDは、コロナウイルス感染への対応力を理由の一つに挙げた。社会の同意を得るのが容易な点が背景にあるという。シンガポールは事業設立が容易で、技能労働者が存在し、高度な技術インフラが整備されている点が評価された。