シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP感染者との接触者追跡機器、電子機器製造のPCIが落札

経済

2020年6月15日

感染者との接触者追跡機器、電子機器製造のPCIが落札

 電子機器受託製造のPCIが、政府技術局が実施した機器入札を落札した。新型コロナウイルスの感染者と接触した者を特定できる硬貨大の機器で、30万個を600万Sドル(約4億6千万円)で受注した。政府は今月半ばから配布を開始する。全住民が配布対象で、まずスマホを持たない人に配布する。
 
 スマートフォンにダウンロードするアプリケーション「トレーストゥゲザー」と同じ機能を持つ、近距離通信技術を利用した機器で、今後さらに生産するため再入札を実施する。
 
 経済・社会活動を制限する「サーキットブレーカー」の解除に伴い、政府は制限を徐々に緩めており、これに伴いウイルス感染が拡大する恐れがあるため、感染者と接触した者を迅速に突き止める必要性が高まるというのが機器導入の理由だ。
 
 スマホ用アプリのダウンロード件数は180万件で人口の約25%と、効果的運用に必要な75%に達していない。またアップルの端末では正常に動作しないという欠陥も見つかった。
 
 このため政府は機器配布に力を入れることを決めた。機器に対してはプライバシー侵害への懸念が根強い。しかしスマート国家イニチアチブ担当大臣のバラクリシュナン外相は、所持者の居場所追跡を意図した機器ではないと釈明している。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP感染者との接触者追跡機器、電子機器製造のPCIが落札