2020年6月9日
接触者追跡のための機器、月後半から配布開始
シンガポール政府は今月後半から、コロナウイルス感染者と接触した者を特定できる身体装着式の機器の配布を開始する。発表に当たったバラクリシュナン外相(スマート国家計画担当)は、装着者の居場所を追跡するものではないと釈明した。
機器の名称は「トレーストゥゲザー・トークン」。硬貨ほどの、ポケットに入る大きさ。収集したデータは暗号化され機器内に保存される。装着した者が感染者と確認された時、機器は当局が回収し、データが保健省にアップロードされる。
スマートフォンを持っている者向けには既に、接触者追跡のアプリケーション「トレーストゥゲザー」が導入されている。近距離通信技術を利用しており、同じアプリを搭載した、近接した場所に存在するスマホに反応する。トークンも同様にブルートゥース技術を利用し、近くに存在する機器に反応する。
同アプリのダウンロード、トークン携行は当面、任意。接触データは25日間、保存され、古いデータは自動的に削除される。政府は外国から入国する旅行者にも同アプリのダウンロードかトークンの携行を要請する方針だ。プライバシー侵害の懸念があるが、バラクリシュナン氏は、電子タグではないため、インターネットや携帯端末との接続性はないと説明した。